2003年10月14日(火) 天気 : 雨 のち 晴れ

朝日ジャーナル 71年3月19日号

10/13(月)の深夜です。

国民の祝日だったらしいですが、例によって非国民幻泉館主人はお仕事。
早目に切り上げて帰ってきましたが。

そうか、体育の日だったのか。
なんか感じ出ないなあ。
1964年の東京オリンピック開会式。
好天に恵まれる特異日だから10月10日にしたんでしょう?
体育の日を曜日制にして日付がずれたら意味ないじゃんなあ。
まあ、わし関係ないけど。

深夜から午前中の嵐、すごかったね。
親父さんが死んだ年、台風が多かったなあ。
静かな病室の窓に風雨が叩きつけられる。
何度もそんな風景を見ました。



[朝日ジャーナル 1971年3月19日号]

そろそろストーブを置く場所を作っておこうと、本と雑誌の山を少し移動した。
正確ではないな。
実はストーブは出しっぱなしであった。
その上に載った本と雑誌をどけたのである。
これだけでは、まだ火を入れることはできない。
周囲に空間が必要なのである。
いや、そんなこともどうでもいい。
幻泉館地方は妙に暖かいところなので、まだまだ時間はある。

すっかり忘れていたものがいろいろ出てきたのだ。
「朝日ジャーナル」表紙その中の一つが「朝日ジャーナル」1971年3月19日号。
画像をご覧いただけばわかるが、裸のお姉さんが堂々と表紙に写っている。
昔は朝日新聞社もずいぶん軟派な雑誌を出していたものだ。

違いますよ、この号だけ特別なんです。
あまりに特別だったので、朝日新聞社が回収してしまったほどです。
だからレアもの……だと思うんだけど、特に競合入札者もなく簡単にYahoo!オークションで落札したものです。
もう、こんなものを欲しがる人もいなくなったんだなあ。

紙の経年変化はありますが、非常にきれいな状態です。
どちらかというとうちでほこりかぶって汚れてしまったような。

当然今の若者はこんな雑誌知らないですよね。
終わりのころには筑紫哲也さんが編集長をしたりしました。
私が最も一所懸命読んでいたのは、ロッキード事件のころです。
朝日ジャーナルに載った報道が、数週間経ってから朝日新聞で報道されるといったような大活躍をしていました。

朝日新聞社からは「アエラ」という雑誌が出ていますが、その発行が決まった時点で「朝日ジャーナル」は廃刊(休刊ということになってるのかな?)せざるをえなくなったはずです。
「報道・解説・評論」という文字中心の雑誌を殺して、レイアウト優先のニューズウィーク風雑誌を出すことにしたのです。
左派を殺して右派が勝ったと言ってもいいでしょう。
いや、別に左翼の論文雑誌ではなかったのですよ。

「朝日ジャーナル」の廃刊当時、私は地下鉄で通っていました。
ジャーナルの発売日だった木曜日には、なんとなくホームで手持ち無沙汰な気がしました。
そこで本多勝一さんが新しい雑誌の創刊をということで、「週刊金曜日」が生まれたのでした。

回収の本当の理由は表紙のヌードではなくて、赤瀬川原平さんの連載「櫻画報」だったという話があります。

> 朝日は赤くなければ朝日ではないのだ。
> ホワイト色の朝日なんてあるべきではない。
> せめて櫻色に……。
> 馬オジサンと泰平小僧は、包紙をほどきながらそう思った。

「朝日ジャーナル」櫻画報おもしろいでしょ。
「包紙」というのは掲載誌の「朝日ジャーナル」のことです。
なんといっても、「アカイ アカイ アサヒ アサヒ」というのがいいですね。
「櫻画報」は包紙(掲載誌)を変えて生き延びます。

私は高校生の時に「朝日ジャーナル」は読んでいませんが、「櫻画報」の入った包紙「終末から」(筑摩書房)を買っていました。
高校生にとってはかなり値段の高い雑誌でしたが、隔月刊ぐらいだったのでなんとかなりました。
この雑誌が私の精神形成に与えた影響は大きいと思います。
それはまたいつか。
井上ひさしさんの『吉里吉里人』が連載されていたのが「終末から」です。
呉智英さんの連載も、とっても面白かったです。
学生時代に捨ててしまったようなのですが、数年前にセットで古本を買いました。
「朝日ジャーナル」には高橋和巳さんの『邪宗門』が連載されていたのですが、それはもっとずっと以前のことです。

若者はご存知ないかもしれないのでちょっとだけ説明すると、原平さんは『父が消えた』で芥川賞(1981年)を受賞した尾辻克彦さんと同一人物です。
マンガも描いてまして、「ねじ式」のパロディ「おざ式」はとてもおもしろかったですよ。
60年代に前衛芸術運動で活躍していたのですが、東京オリンピックのころに千円札を模写した作品を発表したことによって「通貨及証券模造取締法違反」に問われます。
つまり、ニセ札事件を起こしてしまうのです。
有罪になったと思います。
今は「トマソン」や「老人力」の方が通りがいいのかな。
『白球残映』で直木賞を受賞した赤瀬川隼さんは原平さんのお兄さんです。

こういう事件を起こしたために、「通貨を発行したのだから私は国家である」という不思議な論理で、「赤瀬川原平資本主義共和国」を名乗ったりします。
おかしいのは、原平さんはとてもマジメな人なので、こういうことを大マジメにやっていることです。
山松ゆうきちさんのおかしさと似たところがあるかもしれません。
青林堂から出た『櫻画報・激動の千二百五十日』もうちのどこかに埋もれているはずです。
これはオークションに出すと多少値が付くかもしれない。

これだけ古い雑誌だと、広告がおもしろいですね。
例の総会屋系新左翼雑誌の広告が出てます。

 > 現代の眼 4月特大号 180円
 > 特集<ドキュメント>自治体幻想の二五年
 > 豊田市−市民的反資本闘争の主戦場 岩田弘
 > 三沢市−戦後的二重構造の基地経済 大内秀明
 > 茨木市−革新電機商会の虚しい明り 滝田修
 > 那珂湊市−風景はふたたび甦えるか 松田政男

書き忘れましたが、この「朝日ジャーナル」は80円です。
執筆者についてはいろいろ書きたいことがありますが、一つだけ。
松田政男さんは日本赤軍に行ってしまった足立正生監督の『略称・連続射殺魔』を制作してました。
97年に刑死した永山則夫さんが見たはずの「風景」を撮った映画です。
他に廣松渉「フランス社会主義と初期マルクス」が掲載されてます。
廣松さんってお会いしたことありますが、すごい度の強いメガネ掛けてたなあ。
すんません、話の水準が低くて。

71年版の『現代用語の基礎知識』(自由国民社)は800円です。
これは今の方がずっと安い感じ。

シルバー精工のタイプライターが、電動53,500円、一番安いのが19,000円。
ラジオ付きというのがあって、驚きです。
キャッチコピーが恥ずかしいですよ。

 > フィーリング時代の動くペン!

「フィーリング」というのが流行語だったんですね。
そういえば10月3日付け日録にジャケット写真を載せた、よしだたくろう「僕らの旅」は曲が短いので、若き日のせんだみつおさんがナレーションを入れています。
深夜放送の「兄貴」キャラでしゃべってまして、「ボクたちナウなヤングのフィーリング」という感じ。
すごいです。
誰が原稿書いたんじゃい。

これもだらだらといくらでも書けちゃうし、音楽ネタが出てこないので無理矢理終わります。
この「朝日ジャーナル」の特集は「抵抗する漂民−反文化の心象風景」というわけがわからないものなんですが、ところどころにアンケート回答が挿入してあります。
普通の女性ばかり。
記者が楽したな。

性に関する質問がいくつかあります。
1. セックスは何色? 2. セックスから連想する花は?
こんな感じね。
そのうちの一つ「セックスから連想する音楽(リズム)」への回答を転載しておきます。
回答者はみんな写真入りです。

照沼良子(19)「ボサノバ」
工藤宣子(17)「レッドツェッペリン移民の歌」
西真理子(17)「ゾンビーズ、シーズン」
西テツ(48)「ワルツ」
佐久間すみれ(19)「ゆったりとした音楽たとえば”ジュテーム”」
石黒直子(17)「ブルース」
渡辺里子(17)「モダンジャズ」
打田保子(19)「クラシック」
西村尚子(19)「ジャズ」
清田恵子(19)「電子音楽」

【追記】
ちょっと楽天フリマで検索してみたら、とんでもない値付けがしてありました。
これはやりすぎじゃないのか。
もっとずっとリーズナブルな価格で入手可能だと思いますよ。

朝日ジャーナル 1971/3/19  8,000円

櫻画報・激動の千二百五十日  30,000円

終末から 創刊号  3,000円

終末から 創刊号

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