2003年1月29日(水) 天気 : 晴れ とても さぶっ さぶっ

林光一さん、深沢七郎さん

風邪で寝込んでいる間に、また鯖攻撃が増えていた。
今回は同じIP[61.120.135.81]からのものが多い。
もちろん偽装IPかもしれないが、そうい名乗っている以上、蓋然性は高い。
面倒だが、該当IPの管理会社「株式会社ケーブルネット鈴鹿」へ毎度おなじみのメールを出す。
しかし、Yahoo!BBは感染者を大勢出しながら、結局何の対処もしていない。
迷惑な会社だね。

この3日間のうち確実に3分の2以上は眠っていたので、夜中に目がランランと冴えている。
ただ、情けないことに水っぱなが止まらないだ。
鼻がひりひりする。
ああ、頭は薬でたりらりら〜んのらりぱっぱ〜なのかも。
深夜に一人でハイだぜ。

そういえば林光一さんという作家がいました。
フランスワールドカップの年になくなっています。
山谷で暮らす放浪作家でした。
そ、昨日の山谷バナの続き、おクスリは関係ないです。
愛川欽也主演『キンキンのルンペン大将』という映画にもルンペン役で出てるはず……と思って調べたら、『金髪トルコ嬢(秘)SEX狂宴』というすごいタイトルの映画にも出てますね。
享年79ということなので、ヤマの住人としては異例の長命だと思います。
山谷では四十歳代で老人の風貌になり、五十歳代で亡くなる方が多いそうですから。
本が売れた時には深夜放送でスペシャル番組を担当したこともあったと思います。
この人がマスコミに登場した頃、すごく気になったのでよく覚えているのです。
気になった理由がですね、私の高校・大学の先輩だということなのであります。(林さんは旧制ですが)
それで財閥系の信託銀行に就職なさったそうで、私よりずっとまっとうです。
ちゃんと結婚して所帯も持ったそうで、さらに私よりずっとまっとうです。
それがなぜドヤ暮らしをするようになったのか、肝心なところはよくわからないんです。
ただ、自由に生きたと言っていたので、やっぱりまっとうに生きることができたのでしょう。

う〜ん、顔がなあ、『楢山節考』の深沢七郎さんと混ざっちゃってんだなあ。
深沢七郎さんも不思議な生き方をした人ですね。
達人の顔なのでしょうか。
『楢山節考』を発表した時深沢さんは日劇ミュージックホールでギターを弾いていたそうです。
カッパブックスから自伝エッセイ+楽譜集のような本を出していて、私大昔に買いました。
『楢山節考』の舞台は信州なんですが、出身地甲州を思い浮かべて書いていたそうです。
1958年に木下恵介監督が、1983年に今村昌平監督が映画化してますね。
どちらの映画でも母親役の女優(田中絹代・坂本スミ子)が歯を抜いて演じたというのが壮絶。
『戦場のメリークリスマス』でカンヌのグランプリ獲りを宣言していた大島渚監督はちょいかわいそうでした。
どう考えてもカンヌでは『楢山節考』の方が受けるわな。

その後『風流夢譚』事件(嶋中事件)が起こります。
1960年12月号「中央公論」に掲載された『風流夢譚』を読んで怒ったアホな右翼が、61年2月に中央公論社社長嶋中鵬二宅を襲い、社長夫人に重傷を負わせ、お手伝いさんを殺してしまうのであります。
この前年、60年安保の年には浅沼稲次郎社会党委員長が日比谷公会堂で刺殺されたばかりです。
掲載に関しては相談を受けた三島由紀夫が『憂国』を一気に書き上げて、「並べて掲載すれば毒が消える」と言ったという伝説もありますが、中央公論社は実に簡単にテロに屈してしまいます。
深沢七郎さんは姿をくらまし、放浪生活をすることになります。
そして、「ラブミー牧場」だの、今川焼の「夢屋」だのと、もう私にはわけわかりません。
かなりの変人ぶりだったそうです、金嬉老が逮捕された時の様子には変装した警官たちのことを「卑怯だ」と怒っていたそうな。

深沢七郎自身は「人が亡くなっているのだから」と、『風流夢譚』の出版を二度と許可しなかったそうだが、海賊版はかなり出回っている。
同じ時期、1961年2月号の「文学界」には大江健三郎『セブンティーン』の続編『政治少年死す』が掲載されたのだが、右翼のテロにビビった大江さんがお蔵入りさせてしまいました。
だいたいこの2作品がセットで、海賊版として出回っていました。
雑誌「玄海」のコピー売ってたって書いてたのは誰だったけな?
探せば家のどこかにあるはずなので、興味のある方はお気軽にどぞ。

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