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2005年6月 Archive

シナトラ親分 CHRONICLES #171

八幡町 2003年12月4日

ディランは劇のために書いた数曲をプロデューサーのスチュワート・オストロウ(Stewart Ostrow)のところへ持っていきます。
ブリルビル(Brill Building)のオストロウの部屋で曲を録音したようです。

 →The Brill Building

ニューヨークに来ている間に、ディランは奥さんとフランク・シナトラJr.のショーを観にいきます。
ロックフェラーセンターの最上階にあるレインボールーム、フルオーケストラだったそうです。

 →ロックフェラーセンター

60年代のディランがロックフェラーセンターへシナトラのショーを観に行くというのは驚きですが、当のシナトラもかなり驚いていたそうです。

シナトラはディラン夫妻のテーブルに同席し、「風に吹かれて(Blowin' in the Wind)」や「くよくよするな(Don't Think Twice)」のことを尋ねます。

「ああいう曲はどんな場所で歌ってるの?」

ディランは自分が引退して隠遁者(hermit)のように暮らしているのだと内心思うのですが、そのことは言いません。

シナトラは公民権運動のことも話します。
シナトラの父親は公民権運動の活動をしていて、常に弱者のために戦ってきたのだというのです。

-------------------------------------------------------
"How do you think it would make you feel," he said, "to find out that the underdog had turned out to be a son of bitch?"

「負け犬が結局はどうしようもないやつだとわかったら、君はどんなふうに感じるとお思う?」
-------------------------------------------------------

シナトラも、ディランのことを公民権運動のリーダーであるかのように考えていたようですね。
ディランの答えは、「わかわないけど、いい気はしないだろうね」というものでした。

60階の窓から見える街は、違う世界のようでした。
ディランは妻のために赤い花を買います。
そして、シナトラに別れの挨拶をします。

 →Wikipedia: フランク・シナトラ

マフィアとの繋がりが強烈なイメージを残すシナトラですが、人種差別を嫌悪していたことは事実であるようです。
サミー・デイヴィスJr.を仲間に引き入れるのも、当時はかなりの勇気を必要としたのでしょう。
ディランが自分のショーに来たのは、素直に喜んでいたのだと思います。

ただいまp.127です。


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オイディプスの恐怖 CHRONICLES #170

保線区 2005年6月28日

遠い日の初舞台のことを回想した後、今度はアーチボルド・マクリーシュの演劇『スクラッチ』の曲を作っているところに話が戻っています。

どうも落ち着かないようですね。
ピアノに向かって作曲をしています。

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The play itself was conveying some devastating truth, but I was going to stay away from that. Truth was the last thing on my mind, and even if there was such a thing, I didn't want it in my house. Oedipus went looking for the truth and when he found it, it ruined him.

その劇自体は圧倒的な真実というものをいくぶんかは伝えていたのだが、僕はそこからかけなはなれたところにいようとしていた。真実などというものはけっして僕の頭には浮かばないものであり、もしそんなものがあったとしても、僕はそれが家の中にあるのは望んでいなかった。オイディプスは本当のことを探しに行き、そしてそれを知った時に破滅した。
-------------------------------------------------------

え?、西洋の古典的教養に欠けておりますので、すぐに辞書を引きます。
おなじみ「リーダーズ英和」です。

-------------------------------------------------------
Oedipus
_n 【ギ神】 オイディプース 《テーバイの王; Sphinx のなぞを解き, 父母との関係を知らずに父 Laius を殺し, 母 Jocasta を妻として 4 人の子をもった; 真相を知ってわが眼をくりぬいた》.
-------------------------------------------------------

どうしたんでしょう、ディランさん。
何かあったんでしょうか。
家庭の幸福とか言いながら、外で悪いことしてませんか。

 →エディプス・コンプレックスの本質

 →松岡正剛の千夜千冊:『オイディプス王』

本当のこと。
フランシーヌの場合。
本当のさいわい。
宮澤賢治。

ボブ・ディラン自伝


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バーボン・ストリート・ブルース

バーボン・ストリート・ブルース 表紙

『バーボン・ストリート・ブルース』
ジャズ発祥の地名を冠したこの書は初版が2001年8月15日発行。
四六判並製で、定価は1500円+悪税。
もちろん今は亡き我が心の師匠、高田渡大人命の、唯一の自伝である。

渡さんが親父さんと父子寮で暮らした深川。
バーボン・ストリートは、もしかしたらその深川に似ているかもしれないと渡さんは書いている。

万人に勧めるというわけではないが、できるだけたくさんの人に読んでもらいたいので、本館blogではAmazonの商品ページにリンクを張っている。

だが、ずっと版元品切れなのだ。
Amazonでは「ユーズド商品」つまり古書も出品されているが、6月28日現在で5800円と7000円。
これは異常な事態だ。

山と渓谷社のお偉い方、お願いだ。
『バーボン・ストリート・ブルース』に重刷かけてくれないだろうか。

バーボン・ストリート・ブルース 裏表紙


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ローマ軍兵士ディラン CHRONICLES #169

IP屋上駐車場 2003年10月16日

2行空けて、また話が変わります。

アーチボルド・マクリーシュ(Archibald MacLeish)の劇『スクラッチ(Scratch)』中の台詞を、ディランは回想します。

-------------------------------------------------------
世界に悪が存在するのを私は知っている。絶対的な悪だ。善の対立物でも、不完全な善でもない。善とはまったく無関係なもの。幻想だ。
-------------------------------------------------------

抽象的な台詞が続いて、なんだかよくわかりません。
観念的な台詞で構成された劇のようです。

-------------------------------------------------------
Writing songs for a play wouldn't have been far-fetched for me, and I had already composed a couple of things for him just to see if I could do it.

劇のために歌を書くのは僕にとって不自然なことではなかったし、僕にできるかどうかマクリーシュに見てもらうために、既に数曲作っていた。
-------------------------------------------------------

あれあれ、ディランは結構乗り気だったんじゃないですか。
元々演劇は好きだったようですね。
ここから、ディランが初めてステージに立った時の回想になります。

クリスマスの季節になるといつも、ディランの故郷の町には劇団がやってきました。
聖書劇を演じるのですね。
地元の人がエキストラを演じるという、参加型の演劇です。

-------------------------------------------------------
One year I played a Roman soldier with a spear and helmet -- breastplate, the works -- a nonspeaking role, but it didn't matter. I felt like a star. I liked the costume.
-------------------------------------------------------

おお、かわいいですね、ディラン少年。
衣装が好きというのも、なんだかわかる気がします。

そういえば、1975年の「ローリング・サンダー・レビュー」も、ドサ回りの劇団を模したコンサートツアーでした。
今の「ザ・ボブ・ディラン・ショー」も、そんな雰囲気を持っているのかな。

ここでふと、ン十年前の、高校文化祭を思い出しました。
私が高校3年生の時。
全員参加というクラス劇に出なければならなくなったのですが、私も衛兵みたいな役を当てられました。

そうそう、「裸の王様」です。
学生服の上に剣道の銅を付け、袖口を梨かなにかをくるんであったプラスチックで飾って、陸上の槍を持って立っているだけです。
この衣装はちょっと気に入りました。
私は学校行事には極力非協力的だったのですが、裸の王様と行進する時には行進のステップを提案したりしましたわ。

バンドで最後のステージをやるという方に気が行ってたんですが、今では楽しい思い出になっています。
この晴れ姿の写真があったはずなんですが、ちょっと見つかりませんでした。
残念。

ただいまp.125です。


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お熱いのがお好き CHRONICLES #168

千本浜 2003年10月26日

いきなりトニー・カーチスさんが登場します。

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The actor Tony Curtis once said to me that fame is an occupation in itself, that is is a separate thing. And Tony couldn't be more right.
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トニーの言葉が現在形になっているのは、ディランが「トニーはまったく正しい」と思っているからですね。

ディランにつきまとった、悪意に満ちた過去のイメージはやがて消えてしまうのですが、結局は別の「時代遅れのもの(anachronisms)」が身を貫きます。
伝説(Legend)、聖像(Icon)、謎(Enigma)といった言葉は、陳腐だけど無害でした。
預言者(Prophet)や救世主(Messia/Savior)という言葉は、つらいものがあったそうです。
"Messia"と"Savior"を並べて遣っている場合は、ユダヤ教とキリスト教の救世主を意味しているようです。

しかし、トニー・カーチスさんには驚きました。
「リーダーズプラス」の場合は、この人も載っています。

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Tony Curtis (1925- ) 《米国の映画俳優; 本名 Bernard Schwartz; The Sweet Smell of Success (成功の甘き香り, 1957), The Defiant Ones_ (手錠のままの脱獄, 1958), Some Like It Hot_ (お熱いのがお好き, 1959)》
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ああ、いいですね、『お熱いのがお好き』。
私は70年代初頭のいわゆるアメリカンニューシネマで育ったんですが、それでもこの映画は大好きです。

 →お熱いのがお好き みんなのレビュー

小林信彦さんが書いていたのだと思いますが、ジェリー・ルイスがやると下品になってしまうけど、ジャック・レモンだとどこか品があるんですね。


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ヤマザキ、天皇を撃て!

奥崎謙三さんが亡くなった。 享年85。

70年代後半に高田馬場芳林堂で『ヤマザキ、天皇を撃て!』や『宇宙人の聖書』を立ち読みした。
この人は何なんだろうと不思議に思ったものだ。

もちろん原一男監督の『ゆきゆきて、神軍』(1985年)以降は、かなりの有名人になったのではないだろうか。
最期まで「バカヤロー!」と何かに怒っていたそうだ。

イラストレーターの長新太さんも亡くなった。
享年77。

長年親しんでいただけに、後からじわっと来そうだ。


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透明人間

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月25日 01:50
  • 音楽
「東京事変やるよ?」と教えてくださった方がいたので、NHKポップジャムを録画して観ました。

お、一曲目は私の好きな「丸の内サディスティック」。
前から不思議だったのだが、やってることは椎名林檎とあまり変わらないのに、どうして「東京事変」というバンド名を名乗ることにしたのかしら。

番組中で林檎さんが言っていたところによれば、普段から看護婦の格好をしたり、鞭を持っていたりするんじゃないかという雑音が減ったのだそうな。
なるほど。

亀田誠治師匠の名前とお顔は椎名林檎時代からなんとなく存じ上げておりましたが、今回やっとギターの晝海幹音(ヒラマミキオ)さんを認識いたしました。
まあ、ロンゲでかわいいわよ。

 ♪ 僕は透明人間さ
 ♪ きっと透けてしまう

「透明人間」は[作詞:椎名林檎 作曲:亀田誠治]だそうです。

そういえばその昔、クニ河内さんが「透明人間」(1972年)という曲をヒット(?)させました。
テレビに出てきましたが、実に浮きまくってました。

 →クニコタン

 →ザ・ハプニングス・フォー

ピンクレディの曲にもありましたな。
あれは1978年なんだそうです。
そのころテレビを見ていなかったので、よくわかりません。


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中島みゆきを求めて

このタイトルは尾崎翠全集を出していた創樹社から80年代に出版された、天澤退二郎さんの書名です。 90年代に河出文庫に入ったのですが、今はどちらも入手できないようです。 当時は本屋さんに行くと何種類も「中島みゆき」を冠した本があったのですが、読んでおもしろいなと思ったのは、この本ぐらいのものでした。 かつての論客天澤退二郎が、中島みゆきの曲をダビングしたテープ繰り返して聴いている様がなんだか微笑ましかったのです。

楽天広場のキーワードサーチ機能、いつのまにか「このブログ」で検索できるようになっている。
これは嬉しい♪

早速「中島みゆき」を「このブログ」で検索してみました。

>「中島みゆき url:http://plaza.rakuten.co.jp/gensenkan/」の検索結果 0件
>キーワードに該当する記事が見つかりませんでした。

あら、ダメだ、こりゃ。
それでは「高田渡」を「このブログ」で検索してみましょう。
おお、これは5件です。
2005年04月16日「渡さん、さようなら」以降がヒットしてます。
命日からとは憎らしい演出。
そうじゃない。

さらにさらに、「CHRONICLES」を「このブログ」で検索してみます。
2005年03月17日「CHRONICLES #100 シナトラの歌声」以降です。

どうやらこの辺りが検索のボーダーラインのようです。
残念。
まだ使えません。


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DVD『タカダワタル的』、出ました♪

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月24日 20:58
  • 映画

下の画像をご覧ください。

タカダワタル的 20Pフルカラーブックレット

おなじみ映画『タカダワタル的』のポスターやチラシに見えますが、少し違うのです。
渡さんが口に指を入れて「がっきゅう☆んこ」と言ってます。(言ってないけど)
「takadawataru.com」に書き換えてあったウィンドーの文字も、元の「ザ・スズナリ」です。
これはDVD『タカダワタル的』に付いていた「20Pフルカラーブックレット」の表紙なんです。
そう、DVDが届いたのです。

タカダワタル的 DVD 箱

タイトル名だけで予約して「高いなあ」と思っていたのですが、さすがに65分の映画だけでこの値段ということはありません。
2枚組みDVDで、本編よりずっと長い映像特典が付いてきました。
ザ・スズナリでのライブが丸ごと入っているそうです。
これはすごい。
いや、本編で使った部分はカットしてあるんだよな。
私の場合、本当は映画『タカダワタル的』ではなく、ライブが本当に丸ごと入ってくれていた方が嬉しいです。
監督さん、ごめんなさいね。

『タカダワタル的』より数年前の、凛々しい渡さんのライブ映像を残してほしかったものです。
最期の数年で、渡さんは急に老け込んでしまったものなあ。
恭蔵&KURO追悼コンサートの時は、もっと声もずっと若かったです。

[映像特典110分]
其の一. 映画未収録 スズナリ・ライブ完全版
其の二. ドキュメンタリー映像 番外編
其の三. 『フォーク大學』33日間の記録
其の四. 高田渡の撮り下ろし最新インタビュー
其の五. 劇場予告編

タカダワタル的 DVD

- 本編収録曲 -
1. ごあいさつ
2. 仕事さがし
3. ねこのねごと
4. 鎮静剤
5. 酒心
6. 値上げ
7. 魚つりブルース
8. 69
9. 生活の柄
10. ブラザー軒
11. 私の青空

- 特典収録曲 -
1. アイスクリーム
2. スキンシップブルース
3. あきらめ節
4. アフリカの月(東京乾電池:綾田俊樹)
5. ウィスキーの小瓶(東京乾電池:柄本明)
6. 気にに捧げるほろ苦いブルース(東京乾電池:ベンガル)
7. ヨイトマケの唄(蛭子能収)
8. 相子
9. 向日葵
10. トンネルの唄
11. 夕暮れ
12. ミケランジェロ(松田幸一)
13. くつが一足あったなら

タカダワタル的 追悼 高田渡

パッケージに書いてないのだが、もう一つ「おまけ」が入っていた。
「追悼 高田渡」という紙だ。
四色刷りの表には「高田渡語録」、裏には映画のスタッフと中川イサトさん、佐久間順平さん、中川五郎さんといった方々の言葉が書いてある。
やっぱり五郎さんたちの追悼の言葉は胸に迫る。

今夜はこの映像を眺めながら、追悼のビールでも飲もう。
ああ、坂庭省悟さんも写っているんだ。

 →タカダワタル的 memorial edition


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夢の印税生活 CHRONICLES #167

千本浜 2004年7月

大衆が自分のことを忘れてしまったら。
ディランでさえもそんなことを考えていたのでした。

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Eventually, I would have to face the music -- go back to perfoming -- the long awaited ballyhooed tour -- gypsy tours -- changing ideologies like tires, like shoes, like guitar strings.

結局のところ、僕は音楽に向かわなければならないのだ。演奏に戻らなければならないのだ。ずっと長いこと待っていた、昔なじみの連中とのばか騒ぎのツアー、ジプシーの演奏旅行に。タイヤを換えるように、靴を換えるように、ギターの弦を換えるように、思想を換えながら。

【追記】
 →I would have to face the music...
 ここは現実との関わりを語っているところなので、chappi-chappiさん御指摘のように「現実を見なければならない」の方が良さそうです。
-------------------------------------------------------

ここは仮定法過去で表現しているので、昔のことを回想して言っているのではありません。
俺は変わり続けるよと言っているわけでもありません。
ディランがふっと頭の中に描いたことをてみせたにすぎないのです。

自分というものをしっかり持っているので、他者のためにわざわざ暗闇の中に入っていくことはないと言っています。

実際、既に現実生活が暗闇の中にあるようなものでした。
ディランにとって家族はその暗闇の中にある光のようなものでした。
だから、家族だけはどんな犠牲を払っても守るつもりだったのです。

リトルリーグの試合、誕生日のパーティ、子供たちを学校に連れていくこと、キャンプ旅行、ボート漕ぎ、いかだ乗り、カヌー、釣り……。

そのころのディランが大切にしていたことが並んでいます。
印税生活を送っていたのだそうです。
一見、まるで夢のような暮らしです。


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洪水はわが魂に CHRONICLES #166

千本浜 2004年7月

ディランは突然メルヴィルのことを語り始めます。
ハーマン・メルヴィル(Herman Melvill)は有名な作家でしたが、『白鯨(Moby-Dick)』(1851年)を発表した後、次第に忘れられてしまいます。
批評家たちが、メルヴィルは文学の境界を超えてしまったと考えたからです。
メルヴィルは亡くなる時には、すっかり忘れられた作家となってしまいました。

 →松岡正剛の千夜千冊:ハーマン・メルヴィル『白鯨』

ディランは、批評家が自分の作品を見捨てたら、メルヴィルと同じように同時代の大衆からの支持を失ってしまうのではないかと恐れていたのだそうです。
60年代のディランは自信満々でマスコミを挑発していたようなイメージがあるのですが、結構自分の評判を気にしていたのでしょうか。

前に書いたような気がしますが、私が高校2年生の時のことです。
新潮社がのんびり市で文学講演会を開催してくれました。
今はもうなくなった公会堂へ友人を誘ってでかけました。
武蔵野タンポポ団を聴きに行ったのと同じ感覚です。

その講演会は新潮社の「純文学書き下ろし」の宣伝でした。
このシリーズは、函入り上製本というのが実にぜいたくな感じがして好きでした。
安部公房さんの『箱男』や倉橋由美子さんの『聖少女』をこのシリーズで買って読んだのも、この頃だったでしょう。
ずいぶんトンガッテますな、当時の私は。

講演は開高健さんと大江健三郎さん。
開高さんは『夏の闇』の話を、大江健三郎さんは『洪水はわが魂に及び』の話をしたのだと思いますが、肝心の話はあまり覚えていません。
同様の内容を『波』などで読んで、講演の印象が薄れたのでしょう。
もったいない。
どうせ若造なんだから、いろんなことを直接質問しておけば良かったなあと思います。

ただ、お二人の話の枕だけはよく覚えています。
開高さんはベトナム戦争の話です。
そして、大江さんが『白鯨』の話をしました。

作家志望の青年が来たら、『白鯨』を読むように勧めるという話です。
『白鯨』のすごさに驚いて作家になるのはあきらめるだろうから。
すごいと思わないようでは、元々才能がないのだし。
こういう皮肉で、日本的ではない、「小説」というものを教えてくれたのです。

もちろん非常に素直な少年であった私は、すぐに岩波文庫で『白鯨』を買って読んだのです。
今ではウンチクとかトリビアとか呼ばれそうな、その圧倒的な記述がおもしろかったです。
今でもジンジャーエールと聞くと、出港前のあわただしい光景を連想したりします。

さて、昨夜のワールドユースは残念な結果でしたが、今夜はコンフェデ杯。
もちろん見るつもりなんですが、既にビール頭です。
まだ時間があるなあ。

p.123です。

白鯨 20世紀漫画叢書 梶原一騎&影丸譲也
白鯨 20世紀漫画叢書 梶原一騎&影丸譲也

白鯨(上)岩波文庫
白鯨(上)岩波文庫 著者: ハーマン・メルヴィル /八木敏雄

白鯨(上)講談社文芸文庫
白鯨(上)モービィ・ディック 講談社文芸文庫 ハーマン・メルヴィル /千石英世


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天国への扉 CHRONICLES #165

千本浜 2004年7月

ワールドユースの中継は午前3時20分からということなので、それをじっと待っています。
観戦用ビールをどんどん空けてしまっています。
いかん、いかん。
『クロニクルズ』でも眺めるか。

p.123に入るところです。
ディランは出演した映画のことも少し触れています。

-------------------------------------------------------
I played a part in a movie, wore cowboy duds and galloped down the road. Not much required there. I guess I was naive.
-------------------------------------------------------

さすがの大物も、経験不足であったと振り返っています。
Pat Garrett and Billy the Kid
この映画はもちろん、『ビリー・ザ・キッド 21才の生涯(Pat Garrett and Billy the Kid)』(1973年)ですね。

 →ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 - サム・ペキンパー Sam Peckinpah -

 →ビリー・ザ・キッド/21才の生涯

 →Pat Garrett and Billy the Kid

 →Pat Garrett and Billy the Kid (1973)

あ、ペキンパ監督の編集版は公開時とストーリーが違うのか。
これは観てないな。

音楽担当もボブ・ディランで、このサントラ盤は映画を見てなくても部屋に流しておくといい感じです。
今引っ張り出してきて聴いてます。

 →bobdylan.com: Pat Garrett and Billy the Kid

まあ、なんといっても「天国への扉(Knockin' on Heaven's Door)」ということになりましょうかね。
ディランの作品としては小品だと思うのですが、実によくライブで演奏しています。
オフィシャルサイトで見ると、9種類のバージョンがありますね。

 →Knockin' on Heaven's Door

あれ、"LIVE 75: THE ROLLING THUNDER REVUE"が一覧に入ってませんね。
これも実にいいです。

ほかにも、オフィシャルサイトに出ていなくて手元にあるものだと、トム・ペティ(TOM PETTY)と演ったライブ盤にも入ってます。

最後に盛り上げてしんみりさせる感じがライブ向きなんでしょうね。
元々が繰り返しだけみたいな曲なので、延々と繰り返しながらギターの演奏を聴かせたり、料理しやすいのかもしれません。

"DYLAN & THE DEAD"の演奏はちょっとかっこ良すぎるんじゃないかというぐらいいいですなあ。
"UNPLUGGED"の演奏も、とてもいいです。
ディラン本人が、この曲が好きなんでしょうね。

 ♪ Mama, take this badge off of me
 ♪ I can't use it anymore.
 ♪ It's gettin' dark, too dark for me to see
 ♪ I feel like I'm knockin' on heaven's door.

 ♪ Knock, knock, knockin' on heaven's door

 ♪ Mama, put my guns in the ground
 ♪ I can't shoot them anymore.
 ♪ That long black cloud is comin' down
 ♪ I feel like I'm knockin' on heaven's door.

 ♪ Knock, knock, knockin' on heaven's door


 ♪ ママ、このバッジをとってくれ
 ♪ もうつかいみちがない
 ♪ くらくなってきた、くらくて見えない
 ♪ おれは天国の扉をたたいているみたいだ

 ♪ ノック、ノック、天国の扉にノック

 ♪ ママ、おれのガンをはずしてくれ
 ♪ もう撃つことができない
 ♪ あの長い黒雲がたれさがってくる
 ♪ おれは天国の扉をたたいているみたいだ

 ♪ ノック、ノック、天国の扉にノック

                 (片桐ユズル訳)
Pat Garrett & Billy the Kid [Soundtrack]
Pat Garrett & Billy the Kid [Soundtrack]
1. Main Title Theme (Billy)
2. Cantina Theme (Workin' for the Law)
3. Billy 1
4. Bunkhouse Theme
5. River Theme
6. Turkey Chase
7. Knockin' on Heaven's Door
8. Final Theme
9. Billy 4
10. Billy 7


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灯台下暗し #2:楽天広場

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月21日 05:34
  • 日常雑記
ああ、やっぱりサイト内検索機能は付いていなかった。 つくづく残念である。

楽天広場はデザインだけブログっぽく見せようとしているのだが、やはり他のブログにはどれも備わっている、過去記事検索機能が欠けたままになっている。

 →灯台下暗し


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ディランの自画像 CHRONICLES #164

千本浜 2004年9月28日

Rhode Island Design Schoolという学校があります。

 →Rhode Island School of Design

どういう学校なんでしょうか。
東京芸術大学というよりは、桑沢デザイン研究所という感じなのかな。
桑沢のOBには仕事で世話になった人が何人かいます。

 →桑沢デザイン研究所

しかし、どちらのサイトも落ち着きませんなあ。
Java/Java Scriptを切ってあるブラウザでは見ることができないのも同じです。
WWWのサイトとしては、まずいと思います。

おっと、検索したらありました、ロードアイランドデザイン大学。
国際的に有名な学校なんですね。
京都精華大学が交換留学をやっているようです。

 →京都精華大学:国際交流

何かというと、ディランはレコード会社と一緒に、「音楽をやめてRhode Island Design Schoolに通う」という噂を立てたんだそうです。
この辺り、何がなんだかわかりませんわ。
雑誌はディランに踊らされて、いろいろなことを書き立てます。

ディランは2枚組みのアルバムを発表します。
ジャケットは自画像。
そう、"Self Portrait"(1970年)です。

 →bobdylan.com: Self Portrait

私はこのアルバムの冒頭にある"All the Tired Horses"が好きで、マイベストMDにも入れましたが、実はディランの声は入っていません。
女声コーラスが不思議な歌詞を繰り返すだけです。

 ♪ All the tired horses in the sun
 ♪ How'm I supposed to get any ridin' done?
 ♪ Hmm.

 ♪ 日なたのウマたちみんな疲れている
 ♪ どうやって どれに乗ったらいいんだろうか
 ♪ フム……
                   (片桐ユズル訳)

いわばアルバムのテーマソングとも言うべきもので、後は他人の曲あり、ワイト島のライブありと、ごった煮のようになっています。
私が実際にアルバムの形で買ったのはCDになってからなので、1枚に収まってしまっていますが、2枚組みLPだと実にどっしりとしていました。
ワイト島の音源がおなじみだったせいもあって、好きなアルバムです。

他人の曲が多いので、きっとファンには評判が良くないのでしょう。
多重録音で二人のディランが歌う「ボクサー」なんて変ですものね。
でも、おもしろいなあと思います。

Bob Dylan / Self Portrait
Self Portrait
1. All the Tired Horses
2. Alberta, No. 1
3. I Forgot More Than You'll Ever Know
4. Days of '49
5. Early Morning Rain
6. In Search of Little Sadie
7. Let It Be Me
8. Little Sadie
9. Woogie Boogie
10. Belle Isle
11. Living the Blues
12. Like a Rolling Stone
13. Copper Kettle (The Pale Moonlight)
14. Gotta Travel On
15. Blue Moon
16. Boxer
17. Mighty Quinn (Quinn the Eskimo)
18. Take Me as I Am (Or Let Me Go)
19. Take a Message to Mary
20. It Hurts Me Too
21. Minstrel Boy
22. She Belongs to Me
23. Wigwam
24. Alberta, No. 2


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翼をください

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月21日 00:19
  • 日常雑記
コンフェデ杯。 ヨーロッパ・チャンピオンのギリシャに勝ったと喜んでいたのも束の間。 メキシコがブラジルに勝ってトーナメント出場を決めたため、日本はブラジルに勝たないとリーグ敗退ということになってしまった。 おお、なんてこった。 ギリシャ相手に3点ぐらい取っておけばと、贅沢なことを言い出す。

ブラジルに「マイアミの奇跡」と呼ばれた世紀の番狂わせは1996年のアトランタ・オリンピックだった。
そのチームのキャプテンだった前園真聖選手も引退を決めた。
あの時はU23のオリンピックチーム。

そろそろ、A代表も何かの拍子でブラジルに勝ってもいいんじゃないか。
そんなふうに思ってしまったのだが。

おっと、その前にU20、ワールドユースのモロッコ戦があるわ。
ワールドユースとコンフェデ杯で、実に夜中のビールが増えてしまった。
忙しいのに困ったもんだと、嬉しい悲鳴です。

 →翼をください


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北国の少女 CHRONICLES #163

保線区 2005年6月18日

ディランはエルサレムに旅行し、嘆きの壁(Western Wall)の前でつばのない帽子(skullcap)を被って写真を撮りました。
その映像はすぐに世界中に送られましたが、とたんにディランはシオニストだということになりました。
帰国して一見カントリー&ウェスタンのように見えるアルバムを作りました。
いつもとは違う声で録音したので、みんな頭をかきむしりました。

ああ、これは私が初めて買ったディランのアルバム、『ナッシュビル・スカイラン(Nashville Skyline)』(1969年)ですね。

 →bobdylan.com: Nashville Skyline

先にワイト島フェスティバルのライブEPを買っていたので、驚きました。
後からわかったのですが、これは『セルフ・ポートレイト(Self Portrait)』(1970年)からワイト島の部分だけカットしたものだったんですね。

ただ、私の場合はディランの他のアルバムに親しんでいたファンほどのショックは受けませんでした。
ディランという人は元々こういう声なんだろうなと思いました。
なにぶん「遅れてきた少年」だったので、かえって先入観なしにこのアルバムを聴けたのはかえって良かったのかもしれません。

A面1曲目が「北国の少女(Girl of the North Country)」。
ジョニー・キャッシュの声はすごい迫力です。
サイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア(Scarborough Fair)」と似てるなとは思いましたが、元歌が同じだと知ったのは、それからかなり後になってからです。

 →スカボロー・フェアについて

あ、コンフェデ杯、ギリシャに勝った!


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さよなら再見!

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月19日 23:41
  • 日常雑記
駅周辺の再開発で、昔からある商店街の一画が消える。

フォンテーヌという名前の店は、小学生のころ親に連れられて初めて入った喫茶店だ。
別に楽しい用事ではなく、従姉の彼氏との話し合いのようなもので、夜遅い時間だった。
飾りに置いてある外国語の本をぱらぱらと眺めていた。

CBという名のカレースタンドは高校生の頃に何度か行った。
ファーストフードのチェーン店も、コンビニもまだない頃。
放課後にそんなものを食べて、なおかつ家で夕飯をしっかり食べていたのだ。
ああ、いくらでも食えた、あの頑強な胃袋よ。

週末の夜はその裏通りでギターの弾き語りをしながら手製のCD-Rを売っている若者がいる。
あの娘はこれからどうするのかな。


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幸福の風景 CHRONICLES #162

千本浜 2004年10月

異常な人気と貼り付けられたラベル、実際に押し寄せてくるいいかげんな連中や取材記者、そして街の人々の視線に、ディランは苦しみます。
でも、あまり暗い筆致ではありません。
ついつい、読んでいる人を楽しませようとしてしまうようです。

chappi-chappiさんのレスに返事を付けていて気づいたのですが、"Esquire"の表紙をマルコムXやケネディと共に飾ったのは、とても恐いことだったのではないでしょうか。
僕はただの歌手なのに、暗殺された政治家たちと並べられている。
僕も暗殺されるんじゃないだろうか。

政治家ケネディの暗殺を一人の父親の死として受け止めたのは、子供たちに囲まれて家庭の平和な幸せを感じていたディランにとって、とても身近なものに感じられたからでしょう。

自分もそんなふうに突然殺されるかもしれない。
でも、自分はこの子たちを守らなければならない。
そのためには、自分の身も守らなければならない。

そうは書いていないのです。
ディランはついついドタバタをおもしろく描いてしまいます。

ディランにとって最も大切なのは、家族が息をする空間を手に入れることでした。

-------------------------------------------------------
It was tough moving around -- like the Merle Haggard song, "...I'm on the run, the highway is my home."
-------------------------------------------------------

マール・ハッガード(Merle Haggard)の"I'm A Lonesome Fugitive"という曲ですね。
「逃亡者」という邦題が付いていたかもしれません。

 →I'm A Lonesome Fugitive

-------------------------------------------------------
Creativity has much to do with experience, observation and imagination, and if any one of those key elements is missing, it doesn't work. It was impossible now for me to observe anything without being observed.
-------------------------------------------------------

人は街でディランを見掛けるとささやきあいます。
「あれよ、あの人よ」
「あれが?」
自分を中心に、山が動いているかのように、人が動きます。

ああ、似たような光景を、この地方都市で見た記憶があります。
私はバルセロナオリンピックの年に、故郷に帰ってきました。
夜中に水泳競技の中継をテレビで流しながら仕事をしていると、中学2年生の女の子が優勝してしまいました。

「今まで生きてきた中で一番幸せです」

休みの日に家の近くのロッテリアで友だちとおしゃべりをするのが大好きな普通の女の子だったのですが、しばらくはそんなことがまったくできなくなってしまいました。
「あ、あの子よ」
「あれが?」
みんなが、ささやくのです。


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灯台下くらし:楽天広場

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月17日 18:34
  • 日常雑記
楽天広場でもやっと各ページに検索機能が付くのだそうな。 一瞬嬉しかったのだが、よく見ると、あれあれ?

「広場」「ブログ」「買い物」「Web」

この4種類の検索らしいのだがどうなんだ?
「広場」は楽天広場だろう。
「ブログ」は何なんだろうか。
自分の「日記/ブログ」というサイト内検索だったら、私が以前から望んでいたものだ。
それなら嬉しい。
そうでなかったら、つまりWWWに氾濫する「ブログ」全般の検索機能だったら、要りませんよ。

幻泉館本館では「Movable Type」というスクリプトを使っているので、トップに「サイト内の検索」という小窓が付いている。
 →幻泉館日録
ミラーのlivedoorでは「Blog内検索」。
 →幻泉館日録@livedoor
同じくミラーのgooでは「このブログ内で」検索。
 →幻泉館日録@goo
同じくミラーのSo-netでは「幻泉館主人 さんの記事から」「記事検索」。
 →幻泉館日録@So-net
同じくミラーのteacupでは「ページ内検索」。
 →幻泉館日録@teacup
つまり、どの「ブログ」にも、サイト内検索機能がある。

この「サイト内検索」が楽天広場にはないので、不便を感じていたのだ。
幻泉館日録@楽天の記事数は、この書き込みをする前の段階で [全752件]。
ただただ、この中を検索したかっただけなのである。

今使っているブラウザ「Mozilla Firefox」にも、「Slepnir」にも、ちゃんと検索窓が付いている。
つまり、サイトの方に「Web検索」の機能など要らない。
もしも、21日に付加される「検索機能」の「ブログ」が、自分の「日記/ブログ」内を検索するものでなかったら、この新機能は私には不要である。

どうも楽天広場は以前から体裁だけ「ブログ」に近づけて、「楽天広場は国内最大級の無料ブログサービスです」と言いたがっているようである。
他のブログには、みんなサイト内検索機能が付いているのだから、少なくともそれぐらいは付けてもらいたいと思っていた。

今回の改変が、「サイト内検索」を含んでいるものでありますように。


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無秩序の大司教 CHRONICLES #161

千本浜 2004年9月30日

ディランは自分の曲の歌詞が心を打ったのだろうと言っています。
でも、言葉だけではなかったはずだとも。
そうでなければ、デュアン・エディ(Duane Eddy)がディランの曲だけでインストルメンタルのアルバムを出すこともなかったはずなのです。

そんなアルバムのことなど知らないので、amazonで検索してみました。
-------------------------------------------------------
Duane A-Go-Go/Duane Does Dylan
Duane A-Go-Go/Duane Does Dylan

[BEST OF] [FROM US] [IMPORT]
Duane Eddy
1.Trash
2.Puddin'
3.Moovin' 'N' Groovin'
4.Choo Choo a Go Go Toot! Toot!
5.Just to Satisfy You
6.Around the Block in 80 Days (March in "A")
7.Cottonmouth
8.If You've Seen One You've Seen 'Em All!
9.South Phoenix
10.Dream Lover
11.Busted
12.I'm Blue
13.Don't Think Twice, It's All Right
14.House of the Rising Sun
15.It Ain't Me Babe
16.Not the Lovin' Kind
17.She Belongs to Me
18.All I Really Want to Do
19.Houston
20.Love Minus Zero/No Limit
21.Mr. Tambourine Man
22.Blowin' in the Wind
23.Swing Low, Sweet Chariot
24.Eve of Destruction
-------------------------------------------------------

どうも後半だけがディランの曲なので変だなと思って、さらにgoogleで検索してみます。

 →DUANE EDDY DISCOGRAPHY

なるほど、1965年に出した2枚のアルバムを、一枚のCDにまとめたのですね。
シングルカットされたのが、「Don't Think Twice/House of The Rising Sun」ということになるようです。

-------------------------------------------------------
Musicians have always known that my songs were about more than just words, but most people are not miusicians. What I had to do was recondition my mind and stop putting the blame on external forces.

ミュージシャンはいつも僕の歌が単なる言葉以上のものだったということを知っているのだが、ほとんどの人はミュージシャンではない。僕がやらなければならないのは、自分の精神を回復させて、外部の力のせいにするのを止めることだった。
-------------------------------------------------------

「自分の荷物を捨て去る」という比喩も遣っています。
自分の曲の歌詞に、外から余計な意味が付け加えられるのにうんざりしていたのですね。
そして、ディラン自身にもいろいろな修飾語が付け加えられてしまいます。

the Big Bubba of Rebellion 反乱の大立て者
High Priest of Protest 抗議の司祭長
the Czar of Dissent 不同意のツァーリ
the Duke of Disobedience 不服従の公爵
Leader of the Freeloaders たかりのリーダー
Kaiser of Apostasy 背教の皇帝
Archbishop of Anarchy 無秩序の大司教
the Big Cheese 重要人物

ほとんどの言い回しが、ほぼ同じ内容です。
つまり、反社会的なことがらの大物ということです。
プロテストシンガーというよりも、反社会的運動の指導者のようです。
雑誌の表紙で顔写真がマルコムXやカストロと合成されるのも道理です。

ディラン自身は、はここに並べたような呼称はすべて「無法者を指す暗号だ」と書いています。


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四顔の郷士 CHRONICLES #160

千本浜 2004年10月

ディランはひたすら家にひきこもっていた時期なのですが、マスコミの取材攻勢が止むということはありませんでした。
記者がドアを激しく叩くのを止めるために、顔を出さなければならないこともありました。

「今起きているようなことに関して、お話を伺えませんか?」
「いいけど、どんなこと?」

記者は矢継ぎ早に質問を浴びせかけるのですが、ディランは何度も同じことを繰り返すだけです。

「僕は何の代弁者でも、誰の代弁者でもない。ただのミュージシャンだ」

記者はディランの目を覗き込んで、バーボンやアンフェタミンの証拠がないか探します。
ディランには、記者たちがいったい何を考えているのかさっぱりわかりません。
しばらくすると、こんな見出しを付けた記事を通りで見掛けるのです。

「代弁者であることを、代弁者が否定する」

-------------------------------------------------------
I felt like a piece of meat that someone had thrown to the dog.
-------------------------------------------------------

やっぱりディランの比喩はおもしろいですな。

-------------------------------------------------------
「ニューヨークタイムズ」誌は僕の歌をガーガーと解釈した。
「エスクァイア」誌は、表紙に四つの顔を持つ怪物を掲載した。
マルコムXとケネディとカストロと、僕の顔だ。
-------------------------------------------------------

おお、これは!
と思って検索したらありました。
だいぶ遡りますね。

 →"Esquire"1965年9月号

このコラージュは右半分の二人が暗殺され、左半分がいつまでも元気なおっさんということになりました。

「リーダーズ・プラス」掲載の"Esquire"を引用しておきます。

-------------------------------------------------------
Esquire
n.『エスクァイア』 《もとメンズウェアのコピーライター Arnold Gingrich (1904-76) の編集により 1933 年に季刊誌として創刊された米国の都会派高級メンズマガジン; 第 2 号より月刊 (一時期月 2 回刊); 政治・経済・文学・スポーツ・ファッション・料理・旅行など「男にとって興味のあるもの」を広範囲にわたり徹底して追及するというのが編集方針で, かつてはそのピンナップヌードが俗うけしたが, 記事の質は高く, 有名作家・ノンフィクションライターもよく登場する; New Journalism を育てた雑誌として知られる; 発行元 Esquire Magazine Group, Inc. (Hearst_ Corp. の一部門)》
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安保をつぶせ!

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月16日 01:08
  • 日常雑記
6月15日が終わった。 1960年、樺美智子という学生が亡くなった日である。 享年22。

生きていれば、もう67歳になるのだ。
倉橋由美子さんは69歳で亡くなった。
当然のことなのだが、『パルタイ』の作者と樺美智子さんは同世代だったのである。

60年安保のこの年の秋には、社会党の浅沼稲次郎委員長が右翼少年に刺殺された。

 →樺(かんば)美智子

写真は1980年6月15日、日比谷野外音楽堂。
1980年6月15日 日比谷野外音楽堂 安保をつぶせ!


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君の窓から CHRONICLES #159

千本浜 2005年5月21日

もちろん子供のおもちゃが散乱した家の中に誰かを入れるなどということはありませんでした。

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As for house rules, we didn't have many. If the kids wanted to play basketball in the kitchen, they played basketball in the kitchen. If they got into the pots and pans, we put all the pots and pans out on the floor. My house was chaotic inside as well as out.
--------------------------------------------------------

あれま、ディランはやっぱり大甘のパパであったようです。

「As for ?」というのは懐かしい受験英語でありましたな。
「about ?」ぐらいの意味ですが、文頭でこれまでの話題に関連した新しい話題を持ち出すのに遣います。
だから強めに「?はどうかといえば」みたいに訳しましたね。

「pots and pans」は日本語で言えば「鍋釜」で、炊事用具一般を指します。
こういうものも散乱しているので、家の中も、外と同様に大混乱。
ディランの文章は楽しいです。

ページが変わると、いきなりジョーン・バエズの名前が出てきます。

--------------------------------------------------------
Joen Baez recorded a protest song about me that was getting big play, challenging me to get with it -- come out and take charge, lead the masses -- be an advocat, lead the crusade.
--------------------------------------------------------

ジョーン・バエズはディランが作った曲をいくつも歌っています。
1968年にはディランの曲を歌ったアルバムも出しています。
"I SHALL BE RELEASED"の歌詞からタイトルを採った"Any Day Now"です。

でも、ディランのことを歌った歌というのは何なんでしょうか。
"DIAMONDS AND RUST"や"WINDS OF THE OLD DAYS はこの数年後の曲だし、内容も違います。

 →JOAN BAEZ: Any Day Now

あ、私が持っているのはこちらのアルバムです。

 →Baez Sings Dylan

二人の関係が書いてあります。

かつて「フォークの王様と女王様」だった二人は、1969年の時点ではかなり遠いところにいました。
家の中に引きこもって、子供たちとの日々に幸せを見いだしたディランに、ジョーン・バエズは社会運動への参加を呼びかけたようです。

ウッドストックのコンサートにもディランは出演していませんが、バエズは出ていますね。
中学生の時に映画『ウッドストック』を観た時の「ジョー・ヒル」をよく覚えています。

なんとなくジョーン・バエズはディランよりお姉さんだと思い込んでいましたが、ディランと同じ1941年生まれなんですね。


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春婦伝

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月14日 15:51
  • 映画
6月14日付の東京新聞「筆洗」では中山文科相の発言を採り上げて、日本の戦争体験の風化を語っている。

 →東京新聞「筆洗」
 (朝日の「天声人語」みたいなコラムね)

--------------------------------------------------------
ソ満国境・孫呉の師団司令部近くにあった慰安所の門には「満州第何百何十何部隊」の大きな標札がかかり「誰の目にもそれが軍の関与する施設であることは明らかであった」

安岡章太郎『歴史への感情旅行』(新潮文庫)所収「白い脚の記憶」
--------------------------------------------------------

田村泰次郎『肉体の門』は、これは「戦後」を描いたもの。
1964年に鈴木清順監督が映画化したものが有名だ。
清順さんは翌1965年に『春婦伝』も映画化しており、こちらの方が従軍慰安婦のお話。
どちらも野川由美子さんの演技が鮮烈な印象を残す。
「鈴木清順50周年プロジェクト」の一環として、『春婦伝』のDVDも発売されるらしい。

谷口千吉監督、黒澤明脚本、出演が池部良、山口淑子という『暁の脱走』(1950年)も、原作は同じ『春婦伝』である。

もちろん直接経験などしていないが、どんなことが行なわれていたのかは、70年代ごろまでは誰もが知っていたのだ。

今、文部科学大臣が率先して、自明の理であった事実を消そうとしている。
「そもそも従軍慰安婦という言葉はなかった」

無知で言っているのではない。
無恥なのである。

無責任な挑発的言動を繰り返すうちに、それを事実と勘違いする者も出てこようというものだ。
大臣として不適格と言わざるをえない。

深夜に繰り返して流している報道番組では、普通のニュースでカットされる映像も流れる。
「勉強会を繰り返してますから」
法務大臣が何度も言う言葉だ。
法務などまったく知らないから、一所懸命勉強しているのだそうな。
恥知らずな文部科学大臣よりまともに見えてしまうのだが、大臣としては明らかに不適格である。

この辺でやめておくが、これが今の内閣なのだ。

 →田村泰次郎選集 (2)


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星の王子さま

倉橋由美子さんが亡くなった。 享年69。

高校生のころ、倉橋さんの小説を読んだ。
背伸びをして読んでいる感じだった。
『パルタイ』
『スミヤキストQの冒険』
『聖少女』
ああ、これは新潮社の書き下ろし純文学シリーズだった。

『ぼくを探しに』の翻訳を読んだのが最後だったろうか。
『大人のための残酷童話』を読んだかもしれないが、内容をまったく覚えていない。

サン・テグジュペリ『星の王子さま』の新訳者の一人として名前が挙がっていた。
宝島社版が倉橋由美子訳、集英社版が池澤夏樹訳ということだった。
フランス語がまったくわからないのだが、岩波書店の内藤濯訳は日本語としてとても良い文章だと思う。
著作権保護期間が終わるために非常に多くの訳がどっと出版されるようだが、それでは共倒れになるかもしれない。

そういえば、岩波の内藤濯訳は美智子さんの愛読書ということでベストセラーになったように記憶している。
もしかしたら、三遊亭円楽さんのキャッチフレーズとして「星の王子さま」を初めて耳にした人も多いのかもしれない。

 →星の王子さま―オリジナル版

 →愛蔵版 星の王子さま


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退屈な話 #2

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月14日 01:59
  • 日常雑記
ミラーのSo-netブログで異様にアクセス数が多かった。 楽天広場だったらカウンターだけは千を超えることがあるが、So-netで4桁は異常である。 特に「退屈な話」にアクセスが集中していた。

 →So-net blog:「退屈な話」

Googleで[青山学院高等部][英語入試問題]と検索するとヒットするので、問題が欲しかったのだろう。
問題文全体を読みたいと思うのは、当然のことだ。

問題文を読めば、出題者の意図と間違った部分は明らかである……と思ったのは、どうも甘かったようだ。
それを読み取れないのは、巨大掲示板に匿名で無責任な書き込みをする連中ばかりではないようだ。

2月の入試問題が今頃騒がれるのは政治的意図によるものだなどと、見当違いな憶測を自分のブログで発信している者までいる。
某国工作員の仕業とでも言いたいのだろうか。
問題の文章を読むのに、そんな妄想は必要ない。

この出題文は明らかに、直接経験したことを伝えようと努力しているものを侮辱しているではないか。
それでいて自分は平和教育を指導しているという、傲慢な驕りが感じられないのか。
ショッキングな映像や作られた言葉に弱く、生きた言葉を信じていない、そんな英語教師の姿が見えないか。

沖縄で何があったのか、中国で何があったのか。
少なくとも、この問題を作成した者に、日本の戦争体験は伝わっていないのである。


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大人の科学 CHRONICLES #158

千本浜 2005年5月7日

ディランの姿を見掛けると、ストーカーまがいの連中はじろじろと見ます。
そんなものは気にしてないという風を装いますが、もちろんすぐに限界が訪れます。
何度か引っ越しをしてみるのですが、すぐに記者連中が嗅ぎつけます。
でも、もしも仮に地域紙の記者に取材を許していたとしても、たいしたものを見つけることはできなかったことでしょう。
子供たちのおもちゃが散乱しているだけなんですから。

------------------------------------------------
A whole lotta stuff -- stacking toys, push and pull toysm, child sized tables and chairs -- big empty cardboard boxes -- science kits, puzzles and toy drums... wasn't going to let in the house.
------------------------------------------------

ジョン・レノンが子供とだらだらしているところは容易に想像できるのですが、ボブ・ディランではなかなか難しいものがあります。

「stacking toys」というのは何なんでしょう。
積み木とかレゴみたいなやつかな。
小さい子供のいる家では確かにこんなものが散らかっていました。

「science kits」というのも大いに気になるところです。
電子ブロックみたいなものかなとも思ったのですが、amazonで輸入物の「science kits」を検索してみたら、内容物はこんなものでした。
こちらの方が近いのかな。

------------------------------------------------
キット内容:
*52種類の実験が書かれた冊子
*虫メガネ
*磁石
*スポイト
*鉛筆
*ステッカー100枚以上
*ワイヤOリング綴じブック
------------------------------------------------

う?ん、なんだかわくわくします。
学研「大人の科学」シリーズ、とても気になりますが、まだなんとかこらえています。

 →大人の科学:大人のための科学体験キット


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ベスト・オブ・ジャクソン・ブラウン

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月13日 16:17
  • 音楽
ベストのことをチョッキと言って、若者に笑われるのである。 この外来語の元になった言葉は「vest」と「jack/jaque」らしい。 フィルムの「ベスト判」というのも、この「vest」。 コダック社のポケットカメラの名前だったそうだ。 「ジレー(gilet)」という言い方もあるけど、死語ですな。 「チョッキ」は完全におやじ言葉になったらしい。

ああ、アベック(avec)もおやじ言葉だな。
もちろんカップル(couple)のことでおま。

ベスト盤の話なんです。
「best」ね。

幻泉館御来館の方は三十年以上前のジャクソン・ブラウンさんの顔を刷り込まれてしまうのですが、あまりほいほいとアルバムを作る人ではないので、新作が出たら買わないといけないんです。
昨年2枚組みのベスト盤が出たのですが、買い逃しておりました。
以前に出たベスト盤と間違えていたのです。

収録曲はすべて既に持っているアルバムに入ってると思うのですが、それでもやっぱりオフィシャルな盤は入手したいじゃないですか。
先日違う盤だということに気づいて、買いました。

1997年に出たベスト盤は"Next Voice You Hear: The Best of Jackson Browne"で15曲入り。
2004年に出たベスト盤は2枚組みで"The Very Best of Jackson Browne"となっております。
2002年の"The Naked Ride Home"からも曲が入りました。

「best」のアルバムが何枚もあるのは奇妙なので、「very」の語が付いているのでしょう。
「決定版」という感じかな。

英語では形容詞・副詞の比較級に「very」はくっつかないんだよと習いましたね。
これは意味からあたりまえですな。
「very」は形容詞・副詞の語が持っている意味を強調する語です。
比較級は「より?」と言ってるんで、その「より?」の差の部分が大きいとか小さいとかどれぐらいであるとか、そんな意味を持った修飾語がくっつく方が自然です。
だから比較級の前には「much」や「a little」や「three years」が付きます。

最上級の前には「by far」が付くよとも習いましたね。
これはどんぐりの背比べじゃなくて、差がでかいんです。
「飛び抜けて」一番。
「best」の前の「very」は「まさしく」とか「まったく」ぐらいの感じでしょう。
形容詞の「very」に雰囲気が近いですね。

 →You are the very woman I've ever waited for.
 君こそまさに私が待っていた女性なんだ。

Next Voice You Hear: The Best of Jackson Browne (1997)
Next Voice You Hear: The Best of Jackson Browne
[BEST OF] [FROM US] [IMPORT]
amazon価格: ¥1,490 (悪税込)

1. Doctor My Eyes
2. These Days
3. Fountain of Sorrow
4. Late for the Sky
5. Pretender
6. Running on Empty
7. Call It a Loan
8. Somebody's Baby
9. Tender Is the Night
10. In the Shape of a Heart
11. Lives in the Balance
12. Sky Blue and Black
13. Barricades of Heaven
14. Rebel Jesus
15. Next

The Very Best of Jackson Browne (2004)
The Very Best of Jackson Browne
[BEST OF] [FROM US] [IMPORT]
amazon価格: ¥3,230 (悪税込)
disc1
1. Doctor My Eyes
2. Jamaica Say You Will
3. Rock Me on the Water
4. Take It Easy
5. These Days
6. Redneck Friend
7. For Everyman
8. For a Dancer
9. Fountain of Sorrow
10. Late for the Sky
11. Before the Deluge
12. Your Bright Baby Blues
13. Pretender
14. Here Come Those Tears Again
15. Load-Out [Live]
16. Stay [Live]

disc2
1. Running on Empty [Live]
2. You Love the Thunder [Live]
3. Boulevard
4. Somebody's Baby {From Fast Times at Ridgemont High}
5. Tender Is the Night
6. Lawyers in Love
7. In the Shape of a Heart
8. Lawless Avenues
9. Lives in the Balance
10. I Am a Patriot
11. Sky Blue and Black
12. I'm Alive
13. Barricades of Heaven
14. Looking East
15. Naked Ride Home
16. Night Inside Me


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60年代のボブ・ディラン

もちろん優れた入門書というのは存在するのだが、どうも下手な概説書のようなものが苦手です。

水準が全然違う話なんだけど、数ある「みゆき本」というのは天沢退二郎さんの本以外にはハズレが多かったように思う。
さらに多いディラン本はまったく食わず嫌い。
だから「一般常識」なしに御本人の書いた"Chronicles: Volume One"を読んでいるわけです。

それでいいと思っていたのですが、先日ふと三橋一夫さんのディラン本を見つけて、おもしろそうなので買いました。
高田渡さんのアルバム『ごあいさつ』で三橋さんの文章を読んで以来、信頼してよさそうな人だと思っているのです。

この本もずいぶん前に書かれた文章を集めたものらしいが、かえって私にはちょうど良い。
毎月膨大な量の音楽評論が雑誌に載っているようだが、70年代初めに書いた「洋楽」に関する文章をそのまままとめて発表できるような人は少ないのではないだろうか。


60年代のボブ・ディラン
 三橋一夫著 シンコー・ミュージック刊
 文庫判 本文253p 定価612円(悪税込)
 
60年代のボブ・ディラン


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自由からの逃走 CHRONICLES #157

千本浜 2005年1月13日

あるくそ暑い日に車を運転していると、ロビー・ロバートソンが言いました。
まだザ・バンドとは名乗っていないころです。

「どこへ連れていくつもりなんだい?」
「何を連れていくって?」
「音楽シーン全体を」

びっくりして車の窓が1インチほど開いたそうです。(おいおい)

話がまるで違います。
ディランは静かなところに引っ越したいと思っていただけなんです。
ウッドストックは悪夢のような場所になってしまいました。
プライバシーは売り物になるけれど、それを買い戻すことはできないのだと、ディランは言っています。

街路樹のある通りに面した、白い杭垣に囲まれた家。
裏庭にはピンク色のバラが咲いています。
それが当時のディランの、心からの夢でした。

どこかで見たような風景です。
郊外にあるごく普通の住宅地ではないでしょうか。
有名になってしまったので、ディランにはそれが憧れなんです。
デビッド・リンチの『ブルーベルベット』でも、冒頭でそんな家が出てこなかったかしら。
水撒きをしているようなシーン。
一般的な幸福の象徴的風景なんでしょう。

ずっと以前ですが、東京の住宅地を歩いていて母が言ったことがありました。
小さいころ、こういう家に住みたいと思っていたんだよ。
古いおうちです。
それほど広くないけれど、生け垣に囲まれて、洋室が一つ飛び出したような都会の平屋建て。
柿の木か枇杷の木か、一本だけ大きめの庭木があるのです。
中からピアノの音が聞こえてきそうなおうちです。
母の場合は貧乏だったので、そんな洒落た家に暮らすことはできませんでした。

小坂明子さんの「あなた」が大ヒットしたのは、誰もがこんな願望に訴えるところがあったからなんでしょうか。

 →「あなた」(1973年)

ただ、私はこの歌の「家」にはどうもリアリティが感じられませんでした。
暖炉要らないし。

ディランに話を戻すと、とりあえず一家はニューヨークに戻りました。
ところが、事態はさらに悪化してしまいます。
ぞろぞろとやってきては家の前で歌を歌い、「我々をどこかへ連れて行け」と叫ぶのです。
いったいどこに?

まさにカリスマです。
ディランなら自由と平等で自分たちを導いてくれるような気がしたのでしょう。
でも、それでは強力なファシストを待望する心情とあまり変わりません。


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退屈な話

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月11日 15:53
  • 日常雑記
青山学院高等部の英語入試問題を検索してみた。

 →2005年度入試問題解答速報 青山学院高等部

解答速報のページだが、問題文もPDF形式でダウンロードすることができる。
「IV」の長文が報道されている問題である。

架空の高校生が体験した話かと思っていたのだが、そうではない。
明らかに「出題者=私」の話である。

出題者は戦争体験を次世代に伝えることの難しさを言いたいようだ。
自分では戦争と平和に関してよく考えていると自負しているのだろう。
おそらく本人としては、元ひめゆり学徒の憤りは唐突に感じたのではないだろうか。
自分の「良き意図」を理解してもらいたいと思っていることだろう。

元ひめゆり学徒の話もさることながら、中国での反日感情に関する記述に驚いた。
中国人の戦争体験を考えるだけの想像力が、この先生にはないようだ。

都立高校の教員がこの教師よりましだという保証はどこにもない。

--------------------------------------------------
第一段落
 日本は世界で唯一の被爆国であるから、この誤りを繰り返さないよう世界に伝える責任がある。
 
第二段落
 兵士の屍体も隠さない衝撃的な映像を自分は正視できなかったが、新聞の投書を読んで自分の高校時代の体験を思い出した。
 
第三段落
 沖縄旅行で洞窟に入り、何かを実感した。

第四段落
 ひめゆり平和祈念資料館(?)で元ひめゆり部隊の人の話を聞いたが、その人が話せば話すほど、洞窟での強い印象が薄れていった。
 本当のことを言えば、私はその話に退屈し、うんざりしてしまった。
 その人は何度もいろいろな機会にその話をしているので、話をするのがうまくなっているのがわかった。
 
第五段落
 次世代に真実と体験を伝えるのは大切なのだが、どのように伝えるべきなのか?
 アジア杯で中国人の多くが日本チームにブーイングをしたのは、親から戦争の話を聞いたからだろう。
 何をどうやって伝えたのか?

第六段落
 直接に経験を聞くことができなくなるが、言葉を遣わない方がうまく伝わる場合もある。
 青山学院の生徒になったら長崎に旅行して、被爆体験を聞くのだが、その時に君は何を感じるだろうか。
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ヤスガーズ・ファーム CHRONICLES #156

千本浜 2005年1月8日

手元の、というかPCにデータをコピーしてあるリーダーズ英和を引いてみます。

-------------------------------------------
Woodstock
1 ウッドストック《→SNOOPY の友だちの小鳥》.
2 ウッドストック《1969 年 8 月 New York 州南東部の村 Woodstock の近くで行なわれたロック音楽祭; 60 年代のロックシーンの頂点をなすイベントで, 総計 50 万人ともいう聴衆を集めた》
-------------------------------------------

最初にスヌーピーの友だちが出ているとは思いませんでした。
この辞書はリーダーズプラスも一緒に入っているので、そちらも見てみます。

-------------------------------------------
Woodstock
n.
1 『ウッドストック』 《Sir Walter Scott の歴史小説 (1826); 副題 The Cavalier; 清教徒革命時代 1651 年のイングランドを舞台とし, 議会派と王党派の争いの中で議会派の Everard と王党派の娘 Alice との恋物語が展開する; 題名は Charles 2 世が身を隠した Oxford 近郊の御料地》.
2 ウッドストック 《(1) New York 州南東部 Kingston の北西にある村; リゾート地で, 芸術家の村として知られる; 1969 年 8 月, 近くの Bethel で開催されたロックフェスティバル Woodstock Music and Arts Festival は 30-50 万人のファンを集めた; 60 年代のロックミュージック, および若者によるカウンターカルチャーのうねりが頂点に達したことを象徴するできごと (2) Illinois 州北東部 Waukegan_ の西にある市, 1.4 万 (3) カナダ Ontario 州南東部 London の東北東, Thames 川沿岸の市, 2.7 万》.
3 「ウッドストック」 《Crosby, Stills, Nash & Young_ の 1970 年のヒット曲; Woodstock Music and Arts Festival のことを歌った曲で作詞作曲は Joni Mitchell_》
-------------------------------------------

おお、すごい辞書ですね。
歴史的な順序なのかな。

もちろん1969年のウッドストックが最初に思い浮かびます。
恭蔵さんが「我が心のヤスガーズ・ファーム」と歌っていた、あのウッドストックです。
コンサート会場となったのがマックス・ヤスガー(Max Yasgur)という人の農場だったからです。

 →1969 Woodstock Festival & Concert

ディランの『クロニクルズ』に戻ると、2行空けて話が変わります。

マネージャーがウッドストックにいい家を見つけて買ったので、ディランも家を買いました。
とても快適だったそうです。
ところが、昼夜を問わず、この家に闖入者が押し寄せるようになってしまいました。

-------------------------------------------
At one time the place was a quiet refuge, but now, no more. Roadmaps to our homestead must have been posted in all fifty states fo gangs of dropouts and druggies. Moochers showed up from as far away as California on pilgrimages. Goons were breaking into our place all hours of the night.

かつては静かな隠れ家だったのだが、今ではもうそうではなくなっていた。社会からの脱落者や麻薬常用者に向けて、全五十州で僕たちの家への道路地図が知らされたに違いない。ヤク中がはるばるカリフォルニアから巡礼の旅を続けて姿を現わした。夜中いつでもチンピラが敷地に入り込んできた。
-------------------------------------------

ここでも妙な冗談を混ぜているのがおかしいです。
ただ、アビー・ホフマンの『この本を盗め』みたいに、「ディランの家はここだ!」みたいなことを記載したパンフレットが実際に出回ったのかもしれませんね。

最初のうちは無害なホームレスみたいだったけれど、そのうちに「プロテストのプリンス」を探しに「ならず者の過激派(rogue radicals)」が来るようになりました。
わけのわからない風体の人物たちを何種類か描写しているんですが、"gargoyle-looking gals"なんてのも書いてあります。
怪物みたいな外見の娘たち?
文字どおり食い物を盗りに来るのです。

ディランはフォーク歌手のピーター・ラファージ(Peter LaFarge)からコルトのピストルを貰っていました。
それとは別にウィンチェスターのライフル銃も持っていました。
でも、ウッドストックに3人だけいた警官の主任によれば、たとえ警告であってもそんなものをぶっぱなしたら拘留されるのは自分の方だということでした。

門を壊して勝手に入ってくるような連中をすぐに撃ち殺してしまうのが、私の想像する田舎のアメリカ人像なんですが、さすがにそうは行かないようです。

googleで検索してみたら、ピストルをくれたピーターはこの時点で既に亡くなっているようです。
脳卒中ということになっているけれど、自殺という説もあるというように書いてあります。
ディランが世話になった人物みたいですね。

 →PETER LAFARGE

 →Peter La Farge Discography

ただいまp.117です。


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神の火

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月10日 12:13
  • 日常雑記
これは驚いた。 今更なぜプルトニウムで湯を沸かさなければならないのか。 いくら税金を遣おうというのか。

一つは利権。
一つは核武装。

原子力発電の広報用ホームページの制作に、3年間で10億円の予算を計上している連中である。
ゆめゆめ騙されてはなるまいぞ。

 →asahi.com: 20年ぶり、新型原発開発へ

ATOMKRAFT? NEIN DANKE 原子力? おことわり
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『ボブ・ディラン自伝(1)』発売延期

ソフトバンクパブリッシングから出る、菅野ヘッケルさん訳『ボブ・ディラン 自伝(1)』は6月発売予定だった。 そろそろかなと思って予約した楽天ブックスへ行ってみたら、いつのまにか「2005年7月発売予定」に変わっていた。

がちょ?ん!

でも、多少遅れても、良い翻訳を出してくれた方が嬉しいな。
著者(ディラン御大ね)に直接確認したい箇所がたくさんあるのだと思いますよ。

 →ボブ・ディラン自伝(1)


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カリスマの苦悩 CHRONICLES #155

千本浜 2005年1月12日

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名声と富は力を生み出すもの、栄光と幸福をもたらすものだと思われている。そういうこともあるのかもしれないが、そうではない場合もあるのだ。僕は守らなければならない家族とともに、無防備なままウッドストックにしがみついていた。でも、マスコミでは僕はまったく違うように描かれていた。煙幕がどれだけ厚くなったか、驚くべきほどだった。世間はいつも贖罪の山羊を必要としているようだった。ローマ帝国に対する責任を負わせる何者かを。
-----------------------------------------

日本でも、ボブ・ディランの後を追いかけるように、社会性の高い歌を歌うことによって絶大な人気を得る歌手が現われました。
まず高石友也さん。
その事務所からさらに中川五郎さん、岡林信康さん。
そう、「アングラ・レコード・クラブ」つまりURCが生まれるのです。

ピート・シーガーやボブ・ディランの曲に日本語詞を付けて歌ったり、オリジナルの曲を作って歌ったり、ピートやボブのこどもたちです。
昨今はすぐに「カリスマ」の修飾語が付いてしまいますが、一時の岡林さんは本当にカリスマ的な人気を得ていたのではないかと思います。

日本の場合はコンサート後の討論会のようなものや、「商業主義批判」が彼らを消耗させたようですが、ディランと同様に世代を代表させられる重荷を背負ったのでしょう。
岡林信康は失踪し、高石友也は福井県の名田庄村に移住します。

一旦戻ってきた岡林さんが手本にしたのは、ボブ・ディランです。
はっぴいえんどをバックに歌う姿は、ディランとザ・バンドのようでした。
高石さんは渡米してフォークソングの源流を辿り、「ひとびと音楽」を目指すことになります。

私たちはもうその後を知ってしまっています。
ザ・ナターシャー・セブンは木田高介さんと坂庭省悟さんが亡くなり、城田純二さんは塀の中に入ってしまいました。

でも、別に「結果」が出ているわけではありません。
高石友也さんも岡林信康さんも、それから中川五郎さんも歌っています。

-----------------------------------------
でも、アメリカはローマ帝国ではなかったので、他の誰かが進んで引き受けなければならないのだ。僕は本当はけっして僕以上のものなんかではなかった。涙でよく見えない目で灰色の霧の中を覗き込んでは、輝くもやの中に浮かぶ歌を作る、フォーク歌手だ。それが僕の目の前で弾けとび、僕の上にのしかかっている。僕は奇跡を行なう説教師ではなかった。それでは誰でも気がおかしくなってしまっただろう。
-----------------------------------------

ただいまp.116です。


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夜の父、昼の父

帰宅して、ユズルさんの訳を探してみた。 ああ、これだ。 タイトルは「夜の父」。 ああ、やっぱりそうだ。 いいなと思った。

この歌詞はついつい「父なる神」とか「教父」とか訳したくなるかもしれないが、神でも神父でもない、「父」のままの方がいい。
晶文社から出ている『ボブ・ディラン全詩302篇』です。


Father of night, Father of day,
Father, who taketh the darkness away,
Father, who teacheth the bird to fly,
Builder of rainbows up in the sky,
Father of loneliness and pain,
Father of love and Father of rain.

夜の父、昼の父
暗やみをとりさるもの
鳥にとぶことを教える父
空たかく虹をかける者
さびしさと苦しみの父
愛の父と雨の父
        (片桐ユズル訳)

ボブ・ディラン全詩302篇―LYRICS 1962‐1985 片桐ユズル 中山容 訳


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昼間のパパ

先日"Father of Night"を幻の曲と書いてしまったのだが、実はディランのアルバム"New Morning"にはそういうタイトルの曲がある。

 →bobdylan.com: Father of Night

ディランには珍しいピアノの弾き語り。
そう、ほんの短い間だがピアノの弾けないピアニストだったディランのピアノ演奏。

どうもゴスペルのような歌詞なんだが、よくわからない。
夜と昼を対比させた象徴的な言葉が並ぶ。
虹を造り、山を造るのだから、Fatherはやはり父なる神なんだろう。

マクリーシュの戯曲との関係がわからないが、提示されたタイトルから啓示を得たということなんだろうか。
家庭的な幸福に恵まれ、理想によって子供を育てようと決意していたころのディランの、神を讃える歌である。


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彼女はぼくのもの CHRONICLES #154

千本浜 2005年1月8日

激動の政治の季節を説明した後には、こんな記述が続きます。

-----------------------------------------
僕はオートバイ事故で怪我をしたのだが、それは治っていた。本当のところ、つまらない競争からは抜け出したいと思っていた。子供を持つことで僕は暮らしが変わり、みんなから、そして起きているあらゆることから離れた。家族の他には僕の興味を本当に引きつけるものは何もなくなり、僕は違う眼鏡を通してあらゆるものを見るようになっていた。その時代の恐ろしいニュース……ケネディ兄弟やキング師やマルコムXが銃弾に倒れた時でさえ、政治的な指導者が撃たれたというよりも、その家族の父親が傷つけられたというように見えた。自由と独立の国アメリカに生まれて育ったので、僕はいつでも自由と平等という価値観と理想を大切にしてきた。僕は自分の子供たちを、そんな理想によって育てようと堅く決心していた。
-----------------------------------------

あれま。
長々と訳してしまいましたが、なんとまあ堂々たる宣言でしょうか。
こちらが気恥ずかしくなってしまうほどです。
国家が掲げる理想を正しいと思うから、それに従って生きる。
もしも国家が間違った方向に進もうとしたら、正々堂々とそれを正す。
懐かしいアメリカの姿が、そこにあります。

「自由と平等という理想によって、僕は子供を育てるのだ」

私は妻も子もないので、子育てに関して発言する権利がないと見る向きもございましょうが、なかなかこんなふうに宣言できるものではないように思います。

日々の生活に追われながら子供の将来を思い、懸命にそれに尽くすのが、私の知っている日本の愛すべき親たちです。
でも、たとえば他の子供と較べたり、目先の利益に左右されたり、理想を掲げて子育てをしている親は本当に少ないように見えるのです。
何が正しいのかという価値観を親が失ってしまっているので、目先の利益に従わざるをえないのでしょう。
これが未来を信じることのできない、日本という寂しい国なのです。

これより少し前のこと、ディランがニューポート・フォーク・フェスティバルに出た時、ウィーバーズ(The Weavers)のロニー・ギルバートが観衆にディランを紹介したそうです。

「さあ、彼だよ、知ってるね。受け取ってくれ。彼は君たちのものだ」

この紹介の中に不吉な予感を感じるべきだったと、ディランは後悔しています。

-----------------------------------------
"Take him, he's yours!" What a crazy thing to say! Screw that. As far as I know, I didn't belong to anybody then or now.
-----------------------------------------

"Screw that"は「こんちくしょうめ」ぐらいでしょうか。
マスコミに「世代(generation)」の代表だとか代弁者だとか書き立てられていたことに対して不満をこぼしています。

「僕が僕であること」が自由と平等の前提です。
世間様には名声に見えることも、それは軛(くびき)のようにしか感じられなかったのでしょう。

ところで、ここまで書いて思い出したディランの曲があります。
「彼女はぼくのもの」です。

 →bobdylan.com: She Belongs to Me


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いちご白書 CHRONICLES #153

千本浜 2005年5月21日

二行空けて、話が変わります。

--------------------------------------------
In 1968 The Beatles were in India. America was wrapped up in a blanket of rags. Students at universities were wrecking parked cars, smashing windows. The war in Vietnam was sending the country into a deep depression. The cities were in flames, the bludgeons were coming down. Hard-hat union guys were beating kids with baseball bats.
--------------------------------------------
 *bludgeons 棍棒

"hard-hat"というのは建設現場で被るような保安ヘルメットのことですが、反動的人物を指すこともあるようです。

今では「体育会系」という言葉は「さわやか」というような意味で遣われるようですが、私が大学生の頃はどおくまんプロの『嗚呼!花の応援団』に近いイメージでした。(少なくとも私には)
実際には加藤久さんや岡田武史君がサッカーやってたりしたんだから、だいぶ違うんでしょうが。

そういえばなぎらけんいちさんが役者として異彩を放ったのは、薬痴寺先輩役が最初だったのではないかしら。

 →日活 『嗚呼!! 花の応援団 役者やのォー』

そうか、1976年だったんだ。
このシリーズ、脚本は田中陽造さんだったんだなあ。
1996年のリメイクはまるで知らないわ。

何の話かというと、日大闘争なんかでは、体育会の猛者が大学の防衛側に回ってゲバルト奮ってたそうなんで、それは恐いなあと思ったのです。

1968年、昭和43年。
『いちご白書』に描かれたコロンビア大学の紛争が4月。
ポール・オースターは当時コロンビアの学生だったはずなんだけど、どんなふうに体験したのだろう。

パリ五月革命。
 →フランス五月革命でのプロパガンダ・ポスター

もちろん日本でも東大と日大に象徴される数々の大学紛争があったのですが、私はまだ小学生だったので、はっきりとはわかっていません。
80年代に入ってから団塊世代の方々に思い出話を聞いたのです。

 →「おとこ東大どこへ行く?10年目の東大全共闘?」(1978年)

ああ、ディランに戻らないと。
続けてLSDのことが書いてあります。
毛沢東主義者、マルクス主義者、カストロ主義者……みんなチェ・ゲバラの本を読んでいます。
毎日あちこちで衝突があって、国中が火事みたい。

「かつて伝統的な黒と白であったものが、今やすべて明るい色に爆発しつつあった」

この時代に暗い印象は抱いていないようですね。
ほぼ1ページを1968年時の世相を説明することに費やして、また二行空けて話が変わります。

ただいまp.114。


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夜の父 CHRONICLES #152

千本浜 2005年5月20日

「自分の夢を追いかけるために、君は何を犠牲にしたのかね?」

マクリーシュはディランに尋ねます。
ものの価値とは、それがいくらするかではなくて、手に入れるために何を代償にしたかで決まるというのが、マクリーシュの持論でした。
自分の信念や家族を代償にしなければならないのだとしたら、それは高価すぎるものなのです。
けっしてなくなることのない価値というものもある。

マクリーシュが本当は何のことを考えてこういうことを言っているのかは、いま一つはっきりとはわかりません。

陸軍士官学校(West Point)でマクリーシュはダグラス・マッカーサーと同級でした。
それでディランにもマッカーサーのことを語ります。
何を語ったのかは書いてありません。

 →ダグラス・マッカーサー

ミケランジェロのことも語ります。
ミケランジェロには友人が一人もいなかったし、また友人を作ろうとも思わなかった。
誰にも語りかけることがなかった。

 →X51.ORG: ミケランジェロは自閉症だった

話の流れとしては、たとえば「友情」ということを話していたのでしょうか。
ちょっとお爺ちゃんの繰り言っぽくもあります。
若い頃起きていたことが、もう消えてしまったのだと言い出したりします。

二十世紀初頭にアメリカを所有していた六人乃至八人の一人である、J.P.モルガンについても語ります。
とりとめないですね。

 →政府を動かす米財閥の力

マクリーシュはディランに、少年時代のヒーローを尋ねます。
おお、やっと本題に戻った感じ。
ディランの答えは、「ロビン・フッドと、ドラゴン退治の聖ジョージ」です。
あれれ、ラジオ番組のヒーローたちじゃないのかな。
なんだか妙に古風です。

お、p.113に入って、やっと劇作の話になりました。
ディランに歌を作ってもらいたいと言っていた、あの戯曲です。
マクリーシュは場面の説明をして、台詞を読み上げます。
歌のタイトルまで指定し始めます。

"Father of Night"
"Red Hands"
"Lower World"

もっとたくさん挙げたようですが、どれも幻の曲となってしまいました。
ディランは、どうも自分には向いていないという結論を出したのです。
暗い劇で、どうにも嫌だという印象を抱いたようです。
原子力の時代、人類が自分の血溜りの中に俯せに倒れている。
自分が付け加えて言うようなことはあまりないと感じました。

マクリーシュは、あの「廃墟の街(Desolation Raw)」のような歌を付けてほしかったのだと思います。


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The Essential Pete Seeger

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月 7日 02:41
  • 音楽
ウッディ・ガスリーのCDと一緒に注文したのがこのピート・シーガーのベスト盤。 録音は50年代から60年代が中心ですが、中には1941年の演奏なんてのも混じってます。 実は新譜。 日本盤も今月下旬には出るようです。 amacon.co.jpでは悪税込みで1490円。 日本盤は6/22発売予定で、1785円(悪税込み)だそうです。

ジャケット写真は長棹のバンジョーを弾く痩身のピートさんですが、若いですね。
帽子+眼鏡+髭という好好爺然としたピートさんとちょっと雰囲気が違います。

おなじみの名曲が揃っています。
ライブ音源が多いのもピートさんらしい感じがして、いい感じですよ。

The Essential Pete Seeger

The Essential Pete Seeger [Sony]

1. If I Had a Hammer
2. Goodnight Irene
3. Barbara Allen
4. Talking Union
5. Wimoweh (Mbube) [Live]
6. John Henry [Live]
7. Little Boxes [Live]
8. Michael Row the Boat Ashore [Live]
9. This Land Is Your Land [Live]
10. Guantanamera [Live]
11. Where Have All the Flowers Gone?
12. Turn! Turn! Turn! (To Everything There Is a Season) [Live]
13. Bells of Rhymney
14. Waist Deep in the Big Muddy
15. We Shall Overcome [Live]


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ボブ・ディランの頭のなか

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月 6日 23:56
  • 映画

『ボブ・ディランの頭のなか』

ひどいタイトルですが、原題のままでは売れないわな。
原題は"MASKED AND ANONYMOUS"
2003年にサントラ盤を買った映画なんですが、この夏やっと日本でも公開されるそうです。

 →ゲンセンカン主人 / MASKED AND ANONYMOUS

 →SONY PICTURES CLASSICS: masked and anonymous

真心ブラザーズの「マイ・バック・ペイジズ」、いいですよ。
アメリカの映画批評では散々の評判でしたが、ディラン好きが見ると楽しいのかな。
試写会に行った野崎六助さんのコメントを見つけました。

 →ボブ・ディランの頭のなか

う?ん、やっぱりダメダメ映画っぽいけど、音楽がおもしろそう。


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ヴィヨンの妻 CHRONICLES #151

千本浜 2005年5月21日

マクリーシュはディランに、ヴィヨンは読んだことがあるかと尋ねます。
それは読んだことがあると答えると、ディランの作品にはわずかだがヴィヨンの影響が感じられるというのです。

ほんまかいな。
これは私にはまったくわかりません。

 →ヴィヨンの妻とグーテンベルグ計画

 →Ballade que Villon feit a` la Requeste de Sa Me're

 →Ballade des Femmes de Paris

そしてマクリーシュは、無韻詩(blank verse: 通例は弱強五歩格)、押韻詩(rhyme verse)、エレゲイア体(elegiacs)、バラッド(ballads)、リメリック(limerics: 五行戯詩)、ソネット(sonnet: 通例10音節弱強格14行の詩)について語ります。

エレゲイア体とは、エレジー(elegy: 哀歌、挽歌)のような調子の詩だそうです。
文脈からいくと「バラッド」は本当は「バラード(ballade)」のことではないかと思うのですが、綴りはバラッド(ballad)の方になっています。
もしかして原著の誤植を見つけたかも?

リーダーズ英和の説明ではこうなっています。

-----------------------------------------------------
ballad
n 民謡, 踊り歌, バラッド; バラッド《民間伝説・民話などの物語詩, また それにふしをつけた歌謡で短いスタンザからなりリフレーンが多い》; バラッド形式の物語詩; 《どのスタンザも同じメロディーの》素朴な歌謡, 《特に》ゆるやかなテンポの感傷的[抒情的]な流行歌
-----------------------------------------------------
ballade
n 【韻】 バラード《8行句3節と4行のenvoyからなるフランス詩体; 各節とenvoyはみな同一リフレーンで終わる》; 【楽】 譚詩(たんし)曲, バラード.
-----------------------------------------------------

古典的な詩形について語っているので、バラードの方が自然でしょう。

劇に付ける曲の話をしに行ったはずなのに、ディランは詩の講義を受けているようです。
マクリーシュは学校の先生みたいですね。
ディランにいろいろ教えたくなってしまったのでしょう。


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住む家とてなく

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月 6日 02:48
  • 音楽
ボブ・ディラン自伝"Chronicles: Volume One"を読んでいると、これは聴いておかないとなという曲がいくつか出てきます。 それで気づいた時に買っているのですが、今回は御大の師匠ウッディ・ガスリー。 US盤がなくて、UKからの輸入盤だと日本から出ている廉価版より高かったので、訳詞の付いた日本盤を買いました。

『リジェンダリー・パフォーマー』というタイトルになっているんだけど、「リ」は抵抗あるなあ。
どうして「レ」にしなかったのかしら。
珍邦題『真夜中のカーボーイ』における水野晴男さんのような人がいたのかな。

以前出てきた"Tom Joad"や"Do-Re-Mi"が入っている名盤です。

 →CHRONICLES #55 三分ポップス

 →CHRONICLES #8 (Bob Dylan)
 
なるほど、『怒りの葡萄』です。
大恐慌下の1930年代に大砂塵嵐が起きて放浪生活を送ることになったオクラホマ農民の話なんですね。
元々は白人入植者による過度の農地化が原因です。
痩せた表土が砂塵化し、それが猛暑と強風で大砂塵となりました。
高さが2km、幅が150km、長さが1000kmという、巨大な砂の壁です。

農作物が全滅し、家畜が飢え死にし、人々は砂塵肺炎(Dust Pneumonia)に苦しみます。
多くの人々がカリフォルニアなどへ逃れることになりました。
ダストボウル難民(Dust Bowl Refugees)です。

渡さんの曲の元歌"Do-Re-Mi"が、「カリフォルニアはエデンの園だよ」と歌っているのは、こういう事情なんですね。
"I Ain't Got No Home"や"Talking Dust Bowl Blues"もおなじみの曲です。


A Legendary Performer(1940)

リジェンダリー・パフォーマー
A Legendary Performer(1940)

1. 恐るべき砂嵐
  The Great Dust Storm (Dust Storm Disaster)
2. 住む家とてなく
  I Ain't Got No Home
3. トーキング・ダスト・ボール・ブルース
  Talking Dust Bowl Blues
4. 番人
  Vigilante Man
5. 砂嵐にたえて
  Dust Can't Kill Me
6. ダスト・ニューモニア・ブルース
  Dust Pneumonia Blues
7. 美丈夫フロイド
  Pretty Boy Floyd
8. 砂道を下りて
  Blowing Down That Old Dusty Road (Going Down the Road Feelin' Bad)
9. トム・ジョードの歌
  Tom Joad, Pt. 1
10. 続トム・ジョードの歌
  Tom Joad, Pt. 2
11. 避難民
  Dust Bowl Refugee
12. ド・レ・ミ
  Do-Re-Mi
13. 砂嵐のブルース
  Dust Bowl Blues
14. ダスティ・オールド・ダスト
  Dusty Old Dust (So Long It's Been Good to Know Yuh)


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バラッド歌手ホメロス CHRONICLES #150

千本浜 2004年4月10日

マクリーシュがディランの古典に関する知識を確かめたのは、ディランの作品がこれからある意味で古典になるだろうと考えていたからです。

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MacLeish tells me that he considers me a serious poet and that my work would be a touchstone for generations after me, that I was a postwar Iron Age poet but that I had seemingly inherited something metaphysical from a by gone era. He appreciated my songs because they involved themselves with society, that we had many traits and associations in common and that I didn't care for things the way he didn't care for them.
------------------------------------------------

「鉄器時代の詩人」というのは、新しい時代の詩人という比喩なんでしょうか。
マクリーシュは1892年生まれです。
有能な行政官でもあった老詩人マクリーシュが、新しく登場したポップ歌手に自分と共通した資質を感じることができるというのは、すごいことですね。
創作活動を続けていたのですから、本来表現者としては当然のことなんですが、そうではない大家も多いものです。

まったく水準が違うのですが、自分で直接作品に触れて、自分自身で評価を下すということを、大切にしたいと思います。
つまらない情報、つまり雑音がやたらに多いんですよね。

「森の生活」をしていそうなマクリーシュのアトリエの窓から見えた野ウサギのことなど、ディランはよく覚えています。

マクリーシュはさらに、『イーリアス(Iliad)』で有名なホメロス(Homer)のことを言います。
この「バラッドの語り手(balladeer)」は盲目で、その名前は「人質(hostage)」という意味なんだよと教えてくれます。

突っ込みを入れてくださる方がいそうなので、先に書いておきます。
「balladeer」という語は「吟遊詩人」と訳したくなるかもしれませんが、それは避けた方が良いでしょう。
「ポピュラー歌手」という意味にも遣われる「バラッド歌手」という言葉を、ディランはわざと遣っているのだと思います。
マクリーシュが本当にその語を用いたかどうかは、わかりません。

 →ホメロスを聴く


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『「同和利権の真相」の深層』に関する粘着

以前『「同和利権の真相」の深層』を読んだよというメモを書いたのだが、ミラーのSo-netの方にレスが付いた。

「同和利権」で検索していらしたそうだが、意図がよくわからない。

 >『同和利権の真相』シリーズと『『同和利権の真相』の真相』両方買って読んでみたけど

そうですか。
どうも2ちゃんねるで鬱憤がたまって八つ当たりに来た方のようですね。

これかな。
やっぱり2ちゃんねら?か。
大阪の北の方、OCNで繋いでる人ね。

 →【?????の】宝島社:同和利権の真相【妄言】
  スレッドのタイトルがひどいな。いかにも2ちゃんねる。
 
公平を装った「タメにする」書き込みということでしょう。
2ちゃんねるでの不毛な議論(と呼べるのか?)など持ち込まんでくれ。

もう君の相手はしないよ。


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シェークスピアは決してそんなことをしなかった

ブコウスキーを読んだことがなかったので、何冊かまとめ買いした。 中川五郎さんが訳してるやつ。 サッカーの「北朝鮮×イラン」を観ながら、ビールを飲みながら、パラパラと読んでみる。 タイトルは『ブコウスキーの酔いどれ紀行』(河出文庫)の原題"Shakespeare Never Did This"から。

おお、町田康町蔵さんが解説書いてますな。
おもしろい。

結構酔っ払ってしまったので、この辺にしておこう。

ああ、惜しい!

前半堪えに堪えた北朝鮮だったが、前半ロスタイム、ラストプレイでイランがフリーキックを取って1得点。

日本チームの先発メンバーが発表されたな。
1トップは柳沢選手ね。
予想通りらしい。

うっぷ。
ゲプッ。


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ヱビス 超長期熟成♪

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月 3日 19:32
  • 日常雑記
ギターハンガーというものがあります。 壁にギターを吊るしておく道具ですね。 今は書斎に一五一会とD-28を吊るしてあるのですが、このままではケースに収まったD-12-28を触らなくなってしまうので、なんとか吊るそうと思いました。

ところが、ハンガーを取り付けられる場所が限られていて、作り付けの本棚の柱しか残っていません。
細いので、市販のハンガーを付けることができません。
以前たまたま買ったマーチンのハンガーなら付けることができます。
あんまり売ってないんですよね。

 →Guitar Hanger ギターハンガー

ところが昨日ふと楽天市場の黒澤楽器で見つけました。
すぐに注文したのですが、あやしいメールが来ました。
カードの情報を電話で知らせろというのです。
もちろん電話なんかかけません。
やたらにそんなことを他人に知らせることはできません。

> 不審なメールをいただきましたが、どういうことでしょうか。

こういう書き出しでメールを出したところ、返事が来ました。

> 新人の担当がよくやり方を理解せずに

ということだそうです。
日本語が多少おかしい似たようなメールが2通届いたので、「新人の担当」御本人かもしれません。
勘繰れば「新人の担当」氏が私のカード情報を不正に入手しようとしたとも思えます。
まさかそんなことはないと思いますが、皆さんもカードにはお気を付けください。

さて、今夜は夜中にビールでも飲もうと、「ヱビス 超長期熟成」というのを買ってきました。
ちょっと奮発。
そりゃあなた、テレビでサッカー観戦しながら飲むですよ。

ワールドカップのアジア予選はいいですね。
真剣に戦う選手を見たからこそ、たとえばイランのアジジやアリ・ダエイといった英雄を理解できるわけです。
シャー・パーレビやホメイニ師とは違うイランが見えますね。

NHK衛星第一
23:15?
   2006FIFAワールドカップサッカーアジア地区最終予選「イラン×北朝鮮」
01:20?
   「日本×バーレーン」

おっと、その前に「タイガー&ドラゴン」あるじゃないか。
さて、いつから飲み始めればいいんじゃ。


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ラスト・ワルツ(1978年)

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月 3日 02:50
  • 映画
今夜はVHS→DVD-Rの作業をやめて、先日買ったDVDを観ている。 ザ・バンドの『ラスト・ワルツ』。 VHSかDVDを持っていたはずだが、出てこないのだ。 誰かに貸したままになっているのかもしれない。

急に観たくなったので調べると、「2枚で\1990」というセットに入っていた。
私の場合は正直に、あまり要らない『ローズ』と一緒に買ったのだが、どうもお店によってはバラで売っているらしい。
悪税込みで995円。
これが千円なら「買い」だよなあ。
何度でも観るもの。
観なくても、ステレオで流しておける。
CDよりずっと長いのがよろしい。

『ラスト・ワルツ』の公開時は大学生だった。
サークルの後輩のシオちゃん(仮名)が、水戸弁で興奮していたのをよく覚えている。
悪い先輩の影響を受けてちょっとブルところがあったのがちょっとした欠点だったが、根は元野球少年、シオちゃんは素直な良い子だったのだ。
でも、シオちゃんは本当にザ・バンドが好きだったんだろうか。

私の場合はニール・ヤングが出てきて「Helpless」を歌うところが嬉しかった。
ドクター・ジョンは変なおっさんだなあという印象。
ステイプル・シンガーズとスタジオ録音の「The Weight」から、ライブの「The Night We Drove Old Dixie Down」の流れがいいなあ、実にいい。

エリック・クラプトン
ニール・ダイアモンド
ジョニ・ミッチェル
ロン・ウッド
ヴァン・モリソン
ポール・バターフィールド
リンゴ・スター
マディ・ウォーターズ
そしてもちろん、御大ボブ・ディランも出てまんがな。

実際のライブは1976年だから、もう三十年前ということになります。
シオちゃんも、もういいおっさんだなあ。
元気かしら。

 →The Band: The Last Waltz


ザ・バンド/ラスト・ワルツ〈特別編〉
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ビートと古典 CHRONICLES #149

千本浜 2005年5月21日

ディランはマクリーシュに、当時かっこいいと思っていたギンズバーグやコーソやケルアックのことをどう思うか質問したかったのだそうです。
でも、空疎な質問になるなとあきらめました。

 →松岡正剛の千夜千冊:アレン・ギンズバーグ『ギンズバーグ詩集』

 →The Beat Page: Gregory Corso

 →ジャック・ケルアックとビート 室矢憲治インタビュー

マクリーシュはディランに、サッフォーやソクラテスを読んだことがあるか訊いてきました。
答えは「いいえ」です。
続けて、ダンテとダンはどうだと訊いてきました。
今度は「あまり読んでない」です。

 →サッフォー

 →Wikipedia: ソクラテス

 →松岡正剛の千夜千冊:ダンテ・アリギエーリ『神曲』(全3冊)

 →Wikipedia: ダンテ・アリギエーリ

 →John Donne (1572-1631)

ディランがひたすらビートニクの詩人のことを尋ねたがったのに対して、マクリーシュが古典のことを尋ねてきたのが、ちょっとおもしろく思いました。
検索に疲れたので、今夜はこれまで。

実はまだp.111なのです。


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見えない自由がほしくて

「な?んちゃって通信」faceさんが「リバティとフリーダム」を語ってらっしゃるので拙者も少し。

懐かしいですね。
『試験に出る英単語』(森一郎)で「liberty」と「freedom」の違いについて考えてから三十年以上経ちます。
受験生に訊かれたら、「freedom」は束縛されていない自由な状態を指すが、「liberty」は自分で自由に意志決定をするということに重点があるなどと答えれば良いのでしょう。

原義が違うので、英語では「liberty」と「freedom」の使い分けは自明である場合が多いように思います。
つまり、辻仁成氏のエッセイでは日本語の「自由」のことを語っているので、英語の「liberty」と「freedom」では論が成立しないお話のようです。

違う語を同じように「自由」と訳しているので混乱するのですが、この日本語の「自由」が一筋縄では行かないのですね。
これももう二十年以上前に読んだ本ですが、岩波新書の『翻訳語成立事情』(柳父章)が、幕末から明治期の思想輸入と言葉に関しておもしろく教えてくれました。
ああ、ただ「自由」の事情を覚えていないんだよなあ。

おなじみ広辞苑を引くと、翻訳語の元となった漢語「自由」は元々勝手気ままの意に用いたそうです。

googleで検索したら、関西学院大学法学部冨田宏治教授のサイトがヒットしました。
トップに上がると、ジョン・レノンの「イマジン」が流れます。
とても居心地がよろしい。

 →「欲望」「権力」「自由」の思想史 富田宏治


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大丈夫だよ、かあちゃん CHRONICLES #148

千本浜 2004年4月24日

マクリーシュはディランの歌詞の一節について尋ねます。
"goodness hides behind its gates"と歌っているが、本当にそう見えるのかと。
ディランは「そう見えることもあります」と、いいかげんに答えています。

本には書いてありませんが、これは"It's Alright, Ma (I'm Only Bleeding)"の一節ですね。
1965年のアルバム"Bringing It All Back Home"に入っています。
日本語版には註が付いているのでしょうか。
それとも、これは有名な曲でファンならすぐわかることだからと、放ってあるのでしょうか。

 →bobdylan.com: It's Alright, Ma (I'm Only Bleeding)

難解な歌詞で、これはいかにも詩人マクリーシュが好みそうです。
該当箇所は片桐ユズルさんの訳では「良いことは自分の門のうしろにかくされている」となっています。

  While preachers preach of evil fates
  Teachers teach that knowledge waits
  Can lead to hundred-dollar plates
  Goodness hides behind its gates
  But even the president of the United States
  Sometimes must have
  To stand naked.

  牧師が罪の運命について説教し
  教師が知識がつまっているとおしえ
  百ドルのプレートについていけるといっているあいだ
  良いことは自分の門のうしろにかくされている
  がアメリカ合州国の大統領でさえ
  ときには どうしても
  はだかで立たなくてはならない
                  片桐ユズル訳


当時のアメリカ合州国の大統領はリンドン・ジョンソン。
そう、1963年11月22日にジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されたのでした。
公民権運動の思いが込められた「勝利を我らに(We Shall Overcome)」をジョンソン大統領が演説に用いたということで、ディランはブツブツ言ってましたね。

 →勝利を我らに CHRONICLES #119

 →アメリカの夢 CHRONICLES #120

この歌は別にジョンソン大統領やベトナム戦争のことを歌っているわけではありませんが、私はテンガロンハットをかぶったブッシュ大統領を想像しました。
どうして裸なんでしょう。
どうしてイラクにいるんでしょう。

あっは、大丈夫だよ、大統領。
あんたが作った平和なイラクに、丸腰で立ってごらんよ。
大丈夫だよ、ね、かあちゃん。
It's all right, ma.


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喫茶ロックジャンボリー

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月 1日 03:19
  • 音楽
部屋の中を整理するために、ビデオを発掘してはDVD-R化という作業をしています。 NHKがBSで流してくれたライブが、水準が高いようですね。 今夜は2002年7月の「喫茶ロックジャンボリー」。

これはCDが出てるんですね。
でも、肝心の(?)センチメンタルシティ・ロマンスが入ってないじゃないですか。
放送では3曲流してくれてます。
私はここが一番好き。
野音なんで、春一番みたいなんです。

---------------------------------------------
喫茶ロックジャンボリー
 2002年7月21日 日比谷野外音楽堂

センチメンタルシティ・ロマンス
青山陽一&鈴木茂
ココナッツ・バンク(伊藤銀次)
小西康陽WITH喫茶ロックス
花田裕之
ムッシュかまやつ
高遠彩子
石川セリ・樋口康雄(PICO)
大野真澄
シングアウト

 →喫茶ロックジャンボリー


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ジョニーは戦場に行った CHRONICLES #147

2005年5月31日 添地町

マクリーシュはディランに「ジョン・ブラウン」という曲が好きだと言いました。

 →bobdylan.com: John Brown

1963年の曲ですが、アルバムに入ったのは1995年の"MTV Unplugged"が初めてなんでしょうか。

「この少年の歌なんかではない。本当はギリシャ古典劇だよね。母親というものの歌だ。さまざまな母が、この一曲の中に包み込まれている」

そんなことは一度も考えたことのないディランが、それは正しいかもしれないと、納得してしまいます。

まだ二十歳そこそこだったディランが一所懸命にジョン・ブラウンとその母親のことを考えて作った歌が、普遍性を持った詩になっていたということなんでしょう。
それが天才というものです。

あまり知られていない曲だと思うので、大意をメモしておきましょう。
上記オフィシャルサイトで試聴できます。

外国へ戦争に行ったジョンを、母親は自慢して回ります。
便りが届けば得意満面で近所に見せて歩きます。
ところが、便りが途絶えて十ヵ月ほどすると、負傷して帰還してきます。

  顔はうたれて手はとばされて
  腰にシンチューの輪をはめていた。
  しずんだ声でささやいた ヘンな音の声だった
  顔もおぼえのない姿!
                 (片桐ユズル訳)

息子の変わり果てた姿に驚く母親に、ジョンは動かない口で戦場を説明します。
息子を支える鉄の腰あてを見つめて動けなくなった母親の手に、ジョンは勲章を投げ入れます。

どうにもやりきれない歌ですが、確かに真実を歌っています。
今日本屋さんで岩波文庫の『読書のすすめ 第10集』をもらってきたのですが、冒頭の池澤夏樹さんがラス・カサス『インディアスの破壊についての簡潔な報告』のことを書いていました。

> Aという土地の人々がBに行って
> そこにいた人々を殺す。それは
> いけないことである。その上に
> どんなに理屈を積み上げても認
> めることのできない悪である。

アフガニスタンやイラクで人を殺す米軍は悪なんです。
それが悪であることは、前線で殺される恐怖を味わい、そして人を殺したジョンが一番よくわかっていることでしょう。
アンクル・サム・ブッシュにそそのかされて戦争に行ったのは、やっぱり「ジョニー」なんですね。

 →2004年2月22日付日録:ジョニーは戦場に行った


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