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2005年6月 Archive

シナトラ親分 CHRONICLES #171

八幡町 2003年12月4日

ディランは劇のために書いた数曲をプロデューサーのスチュワート・オストロウ(Stewart Ostrow)のところへ持っていきます。
ブリルビル(Brill Building)のオストロウの部屋で曲を録音したようです。

 →The Brill Building

ニューヨークに来ている間に、ディランは奥さんとフランク・シナトラJr.のショーを観にいきます。
ロックフェラーセンターの最上階にあるレインボールーム、フルオーケストラだったそうです。

 →ロックフェラーセンター

60年代のディランがロックフェラーセンターへシナトラのショーを観に行くというのは驚きですが、当のシナトラもかなり驚いていたそうです。

シナトラはディラン夫妻のテーブルに同席し、「風に吹かれて(Blowin' in the Wind)」や「くよくよするな(Don't Think Twice)」のことを尋ねます。

「ああいう曲はどんな場所で歌ってるの?」

ディランは自分が引退して隠遁者(hermit)のように暮らしているのだと内心思うのですが、そのことは言いません。

シナトラは公民権運動のことも話します。
シナトラの父親は公民権運動の活動をしていて、常に弱者のために戦ってきたのだというのです。

-------------------------------------------------------
"How do you think it would make you feel," he said, "to find out that the underdog had turned out to be a son of bitch?"

「負け犬が結局はどうしようもないやつだとわかったら、君はどんなふうに感じるとお思う?」
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シナトラも、ディランのことを公民権運動のリーダーであるかのように考えていたようですね。
ディランの答えは、「わかわないけど、いい気はしないだろうね」というものでした。

60階の窓から見える街は、違う世界のようでした。
ディランは妻のために赤い花を買います。
そして、シナトラに別れの挨拶をします。

 →Wikipedia: フランク・シナトラ

マフィアとの繋がりが強烈なイメージを残すシナトラですが、人種差別を嫌悪していたことは事実であるようです。
サミー・デイヴィスJr.を仲間に引き入れるのも、当時はかなりの勇気を必要としたのでしょう。
ディランが自分のショーに来たのは、素直に喜んでいたのだと思います。

ただいまp.127です。


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オイディプスの恐怖 CHRONICLES #170

保線区 2005年6月28日

遠い日の初舞台のことを回想した後、今度はアーチボルド・マクリーシュの演劇『スクラッチ』の曲を作っているところに話が戻っています。

どうも落ち着かないようですね。
ピアノに向かって作曲をしています。

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The play itself was conveying some devastating truth, but I was going to stay away from that. Truth was the last thing on my mind, and even if there was such a thing, I didn't want it in my house. Oedipus went looking for the truth and when he found it, it ruined him.

その劇自体は圧倒的な真実というものをいくぶんかは伝えていたのだが、僕はそこからかけなはなれたところにいようとしていた。真実などというものはけっして僕の頭には浮かばないものであり、もしそんなものがあったとしても、僕はそれが家の中にあるのは望んでいなかった。オイディプスは本当のことを探しに行き、そしてそれを知った時に破滅した。
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え?、西洋の古典的教養に欠けておりますので、すぐに辞書を引きます。
おなじみ「リーダーズ英和」です。

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Oedipus
_n 【ギ神】 オイディプース 《テーバイの王; Sphinx のなぞを解き, 父母との関係を知らずに父 Laius を殺し, 母 Jocasta を妻として 4 人の子をもった; 真相を知ってわが眼をくりぬいた》.
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どうしたんでしょう、ディランさん。
何かあったんでしょうか。
家庭の幸福とか言いながら、外で悪いことしてませんか。

 →エディプス・コンプレックスの本質

 →松岡正剛の千夜千冊:『オイディプス王』

本当のこと。
フランシーヌの場合。
本当のさいわい。
宮澤賢治。

ボブ・ディラン自伝


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バーボン・ストリート・ブルース

バーボン・ストリート・ブルース 表紙

『バーボン・ストリート・ブルース』
ジャズ発祥の地名を冠したこの書は初版が2001年8月15日発行。
四六判並製で、定価は1500円+悪税。
もちろん今は亡き我が心の師匠、高田渡大人命の、唯一の自伝である。

渡さんが親父さんと父子寮で暮らした深川。
バーボン・ストリートは、もしかしたらその深川に似ているかもしれないと渡さんは書いている。

万人に勧めるというわけではないが、できるだけたくさんの人に読んでもらいたいので、本館blogではAmazonの商品ページにリンクを張っている。

だが、ずっと版元品切れなのだ。
Amazonでは「ユーズド商品」つまり古書も出品されているが、6月28日現在で5800円と7000円。
これは異常な事態だ。

山と渓谷社のお偉い方、お願いだ。
『バーボン・ストリート・ブルース』に重刷かけてくれないだろうか。

バーボン・ストリート・ブルース 裏表紙


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ローマ軍兵士ディラン CHRONICLES #169

IP屋上駐車場 2003年10月16日

2行空けて、また話が変わります。

アーチボルド・マクリーシュ(Archibald MacLeish)の劇『スクラッチ(Scratch)』中の台詞を、ディランは回想します。

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世界に悪が存在するのを私は知っている。絶対的な悪だ。善の対立物でも、不完全な善でもない。善とはまったく無関係なもの。幻想だ。
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抽象的な台詞が続いて、なんだかよくわかりません。
観念的な台詞で構成された劇のようです。

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Writing songs for a play wouldn't have been far-fetched for me, and I had already composed a couple of things for him just to see if I could do it.

劇のために歌を書くのは僕にとって不自然なことではなかったし、僕にできるかどうかマクリーシュに見てもらうために、既に数曲作っていた。
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あれあれ、ディランは結構乗り気だったんじゃないですか。
元々演劇は好きだったようですね。
ここから、ディランが初めてステージに立った時の回想になります。

クリスマスの季節になるといつも、ディランの故郷の町には劇団がやってきました。
聖書劇を演じるのですね。
地元の人がエキストラを演じるという、参加型の演劇です。

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One year I played a Roman soldier with a spear and helmet -- breastplate, the works -- a nonspeaking role, but it didn't matter. I felt like a star. I liked the costume.
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おお、かわいいですね、ディラン少年。
衣装が好きというのも、なんだかわかる気がします。

そういえば、1975年の「ローリング・サンダー・レビュー」も、ドサ回りの劇団を模したコンサートツアーでした。
今の「ザ・ボブ・ディラン・ショー」も、そんな雰囲気を持っているのかな。

ここでふと、ン十年前の、高校文化祭を思い出しました。
私が高校3年生の時。
全員参加というクラス劇に出なければならなくなったのですが、私も衛兵みたいな役を当てられました。

そうそう、「裸の王様」です。
学生服の上に剣道の銅を付け、袖口を梨かなにかをくるんであったプラスチックで飾って、陸上の槍を持って立っているだけです。
この衣装はちょっと気に入りました。
私は学校行事には極力非協力的だったのですが、裸の王様と行進する時には行進のステップを提案したりしましたわ。

バンドで最後のステージをやるという方に気が行ってたんですが、今では楽しい思い出になっています。
この晴れ姿の写真があったはずなんですが、ちょっと見つかりませんでした。
残念。

ただいまp.125です。


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お熱いのがお好き CHRONICLES #168

千本浜 2003年10月26日

いきなりトニー・カーチスさんが登場します。

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The actor Tony Curtis once said to me that fame is an occupation in itself, that is is a separate thing. And Tony couldn't be more right.
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トニーの言葉が現在形になっているのは、ディランが「トニーはまったく正しい」と思っているからですね。

ディランにつきまとった、悪意に満ちた過去のイメージはやがて消えてしまうのですが、結局は別の「時代遅れのもの(anachronisms)」が身を貫きます。
伝説(Legend)、聖像(Icon)、謎(Enigma)といった言葉は、陳腐だけど無害でした。
預言者(Prophet)や救世主(Messia/Savior)という言葉は、つらいものがあったそうです。
"Messia"と"Savior"を並べて遣っている場合は、ユダヤ教とキリスト教の救世主を意味しているようです。

しかし、トニー・カーチスさんには驚きました。
「リーダーズプラス」の場合は、この人も載っています。

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Tony Curtis (1925- ) 《米国の映画俳優; 本名 Bernard Schwartz; The Sweet Smell of Success (成功の甘き香り, 1957), The Defiant Ones_ (手錠のままの脱獄, 1958), Some Like It Hot_ (お熱いのがお好き, 1959)》
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ああ、いいですね、『お熱いのがお好き』。
私は70年代初頭のいわゆるアメリカンニューシネマで育ったんですが、それでもこの映画は大好きです。

 →お熱いのがお好き みんなのレビュー

小林信彦さんが書いていたのだと思いますが、ジェリー・ルイスがやると下品になってしまうけど、ジャック・レモンだとどこか品があるんですね。


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ヤマザキ、天皇を撃て!

奥崎謙三さんが亡くなった。 享年85。

70年代後半に高田馬場芳林堂で『ヤマザキ、天皇を撃て!』や『宇宙人の聖書』を立ち読みした。
この人は何なんだろうと不思議に思ったものだ。

もちろん原一男監督の『ゆきゆきて、神軍』(1985年)以降は、かなりの有名人になったのではないだろうか。
最期まで「バカヤロー!」と何かに怒っていたそうだ。

イラストレーターの長新太さんも亡くなった。
享年77。

長年親しんでいただけに、後からじわっと来そうだ。


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透明人間

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月25日 01:50
  • 音楽
「東京事変やるよ?」と教えてくださった方がいたので、NHKポップジャムを録画して観ました。

お、一曲目は私の好きな「丸の内サディスティック」。
前から不思議だったのだが、やってることは椎名林檎とあまり変わらないのに、どうして「東京事変」というバンド名を名乗ることにしたのかしら。

番組中で林檎さんが言っていたところによれば、普段から看護婦の格好をしたり、鞭を持っていたりするんじゃないかという雑音が減ったのだそうな。
なるほど。

亀田誠治師匠の名前とお顔は椎名林檎時代からなんとなく存じ上げておりましたが、今回やっとギターの晝海幹音(ヒラマミキオ)さんを認識いたしました。
まあ、ロンゲでかわいいわよ。

 ♪ 僕は透明人間さ
 ♪ きっと透けてしまう

「透明人間」は[作詞:椎名林檎 作曲:亀田誠治]だそうです。

そういえばその昔、クニ河内さんが「透明人間」(1972年)という曲をヒット(?)させました。
テレビに出てきましたが、実に浮きまくってました。

 →クニコタン

 →ザ・ハプニングス・フォー

ピンクレディの曲にもありましたな。
あれは1978年なんだそうです。
そのころテレビを見ていなかったので、よくわかりません。


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中島みゆきを求めて

このタイトルは尾崎翠全集を出していた創樹社から80年代に出版された、天澤退二郎さんの書名です。 90年代に河出文庫に入ったのですが、今はどちらも入手できないようです。 当時は本屋さんに行くと何種類も「中島みゆき」を冠した本があったのですが、読んでおもしろいなと思ったのは、この本ぐらいのものでした。 かつての論客天澤退二郎が、中島みゆきの曲をダビングしたテープ繰り返して聴いている様がなんだか微笑ましかったのです。

楽天広場のキーワードサーチ機能、いつのまにか「このブログ」で検索できるようになっている。
これは嬉しい♪

早速「中島みゆき」を「このブログ」で検索してみました。

>「中島みゆき url:http://plaza.rakuten.co.jp/gensenkan/」の検索結果 0件
>キーワードに該当する記事が見つかりませんでした。

あら、ダメだ、こりゃ。
それでは「高田渡」を「このブログ」で検索してみましょう。
おお、これは5件です。
2005年04月16日「渡さん、さようなら」以降がヒットしてます。
命日からとは憎らしい演出。
そうじゃない。

さらにさらに、「CHRONICLES」を「このブログ」で検索してみます。
2005年03月17日「CHRONICLES #100 シナトラの歌声」以降です。

どうやらこの辺りが検索のボーダーラインのようです。
残念。
まだ使えません。


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DVD『タカダワタル的』、出ました♪

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月24日 20:58
  • 映画

下の画像をご覧ください。

タカダワタル的 20Pフルカラーブックレット

おなじみ映画『タカダワタル的』のポスターやチラシに見えますが、少し違うのです。
渡さんが口に指を入れて「がっきゅう☆んこ」と言ってます。(言ってないけど)
「takadawataru.com」に書き換えてあったウィンドーの文字も、元の「ザ・スズナリ」です。
これはDVD『タカダワタル的』に付いていた「20Pフルカラーブックレット」の表紙なんです。
そう、DVDが届いたのです。

タカダワタル的 DVD 箱

タイトル名だけで予約して「高いなあ」と思っていたのですが、さすがに65分の映画だけでこの値段ということはありません。
2枚組みDVDで、本編よりずっと長い映像特典が付いてきました。
ザ・スズナリでのライブが丸ごと入っているそうです。
これはすごい。
いや、本編で使った部分はカットしてあるんだよな。
私の場合、本当は映画『タカダワタル的』ではなく、ライブが本当に丸ごと入ってくれていた方が嬉しいです。
監督さん、ごめんなさいね。

『タカダワタル的』より数年前の、凛々しい渡さんのライブ映像を残してほしかったものです。
最期の数年で、渡さんは急に老け込んでしまったものなあ。
恭蔵&KURO追悼コンサートの時は、もっと声もずっと若かったです。

[映像特典110分]
其の一. 映画未収録 スズナリ・ライブ完全版
其の二. ドキュメンタリー映像 番外編
其の三. 『フォーク大學』33日間の記録
其の四. 高田渡の撮り下ろし最新インタビュー
其の五. 劇場予告編

タカダワタル的 DVD

- 本編収録曲 -
1. ごあいさつ
2. 仕事さがし
3. ねこのねごと
4. 鎮静剤
5. 酒心
6. 値上げ
7. 魚つりブルース
8. 69
9. 生活の柄
10. ブラザー軒
11. 私の青空

- 特典収録曲 -
1. アイスクリーム
2. スキンシップブルース
3. あきらめ節
4. アフリカの月(東京乾電池:綾田俊樹)
5. ウィスキーの小瓶(東京乾電池:柄本明)
6. 気にに捧げるほろ苦いブルース(東京乾電池:ベンガル)
7. ヨイトマケの唄(蛭子能収)
8. 相子
9. 向日葵
10. トンネルの唄
11. 夕暮れ
12. ミケランジェロ(松田幸一)
13. くつが一足あったなら

タカダワタル的 追悼 高田渡

パッケージに書いてないのだが、もう一つ「おまけ」が入っていた。
「追悼 高田渡」という紙だ。
四色刷りの表には「高田渡語録」、裏には映画のスタッフと中川イサトさん、佐久間順平さん、中川五郎さんといった方々の言葉が書いてある。
やっぱり五郎さんたちの追悼の言葉は胸に迫る。

今夜はこの映像を眺めながら、追悼のビールでも飲もう。
ああ、坂庭省悟さんも写っているんだ。

 →タカダワタル的 memorial edition


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夢の印税生活 CHRONICLES #167

千本浜 2004年7月

大衆が自分のことを忘れてしまったら。
ディランでさえもそんなことを考えていたのでした。

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Eventually, I would have to face the music -- go back to perfoming -- the long awaited ballyhooed tour -- gypsy tours -- changing ideologies like tires, like shoes, like guitar strings.

結局のところ、僕は音楽に向かわなければならないのだ。演奏に戻らなければならないのだ。ずっと長いこと待っていた、昔なじみの連中とのばか騒ぎのツアー、ジプシーの演奏旅行に。タイヤを換えるように、靴を換えるように、ギターの弦を換えるように、思想を換えながら。

【追記】
 →I would have to face the music...
 ここは現実との関わりを語っているところなので、chappi-chappiさん御指摘のように「現実を見なければならない」の方が良さそうです。
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ここは仮定法過去で表現しているので、昔のことを回想して言っているのではありません。
俺は変わり続けるよと言っているわけでもありません。
ディランがふっと頭の中に描いたことをてみせたにすぎないのです。

自分というものをしっかり持っているので、他者のためにわざわざ暗闇の中に入っていくことはないと言っています。

実際、既に現実生活が暗闇の中にあるようなものでした。
ディランにとって家族はその暗闇の中にある光のようなものでした。
だから、家族だけはどんな犠牲を払っても守るつもりだったのです。

リトルリーグの試合、誕生日のパーティ、子供たちを学校に連れていくこと、キャンプ旅行、ボート漕ぎ、いかだ乗り、カヌー、釣り……。

そのころのディランが大切にしていたことが並んでいます。
印税生活を送っていたのだそうです。
一見、まるで夢のような暮らしです。


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洪水はわが魂に CHRONICLES #166

千本浜 2004年7月

ディランは突然メルヴィルのことを語り始めます。
ハーマン・メルヴィル(Herman Melvill)は有名な作家でしたが、『白鯨(Moby-Dick)』(1851年)を発表した後、次第に忘れられてしまいます。
批評家たちが、メルヴィルは文学の境界を超えてしまったと考えたからです。
メルヴィルは亡くなる時には、すっかり忘れられた作家となってしまいました。

 →松岡正剛の千夜千冊:ハーマン・メルヴィル『白鯨』

ディランは、批評家が自分の作品を見捨てたら、メルヴィルと同じように同時代の大衆からの支持を失ってしまうのではないかと恐れていたのだそうです。
60年代のディランは自信満々でマスコミを挑発していたようなイメージがあるのですが、結構自分の評判を気にしていたのでしょうか。

前に書いたような気がしますが、私が高校2年生の時のことです。
新潮社がのんびり市で文学講演会を開催してくれました。
今はもうなくなった公会堂へ友人を誘ってでかけました。
武蔵野タンポポ団を聴きに行ったのと同じ感覚です。

その講演会は新潮社の「純文学書き下ろし」の宣伝でした。
このシリーズは、函入り上製本というのが実にぜいたくな感じがして好きでした。
安部公房さんの『箱男』や倉橋由美子さんの『聖少女』をこのシリーズで買って読んだのも、この頃だったでしょう。
ずいぶんトンガッテますな、当時の私は。

講演は開高健さんと大江健三郎さん。
開高さんは『夏の闇』の話を、大江健三郎さんは『洪水はわが魂に及び』の話をしたのだと思いますが、肝心の話はあまり覚えていません。
同様の内容を『波』などで読んで、講演の印象が薄れたのでしょう。
もったいない。
どうせ若造なんだから、いろんなことを直接質問しておけば良かったなあと思います。

ただ、お二人の話の枕だけはよく覚えています。
開高さんはベトナム戦争の話です。
そして、大江さんが『白鯨』の話をしました。

作家志望の青年が来たら、『白鯨』を読むように勧めるという話です。
『白鯨』のすごさに驚いて作家になるのはあきらめるだろうから。
すごいと思わないようでは、元々才能がないのだし。
こういう皮肉で、日本的ではない、「小説」というものを教えてくれたのです。

もちろん非常に素直な少年であった私は、すぐに岩波文庫で『白鯨』を買って読んだのです。
今ではウンチクとかトリビアとか呼ばれそうな、その圧倒的な記述がおもしろかったです。
今でもジンジャーエールと聞くと、出港前のあわただしい光景を連想したりします。

さて、昨夜のワールドユースは残念な結果でしたが、今夜はコンフェデ杯。
もちろん見るつもりなんですが、既にビール頭です。
まだ時間があるなあ。

p.123です。

白鯨 20世紀漫画叢書 梶原一騎&影丸譲也
白鯨 20世紀漫画叢書 梶原一騎&影丸譲也

白鯨(上)岩波文庫
白鯨(上)岩波文庫 著者: ハーマン・メルヴィル /八木敏雄

白鯨(上)講談社文芸文庫
白鯨(上)モービィ・ディック 講談社文芸文庫 ハーマン・メルヴィル /千石英世


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天国への扉 CHRONICLES #165

千本浜 2004年7月

ワールドユースの中継は午前3時20分からということなので、それをじっと待っています。
観戦用ビールをどんどん空けてしまっています。
いかん、いかん。
『クロニクルズ』でも眺めるか。

p.123に入るところです。
ディランは出演した映画のことも少し触れています。

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I played a part in a movie, wore cowboy duds and galloped down the road. Not much required there. I guess I was naive.
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さすがの大物も、経験不足であったと振り返っています。
Pat Garrett and Billy the Kid
この映画はもちろん、『ビリー・ザ・キッド 21才の生涯(Pat Garrett and Billy the Kid)』(1973年)ですね。

 →ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 - サム・ペキンパー Sam Peckinpah -

 →ビリー・ザ・キッド/21才の生涯

 →Pat Garrett and Billy the Kid

 →Pat Garrett and Billy the Kid (1973)

あ、ペキンパ監督の編集版は公開時とストーリーが違うのか。
これは観てないな。

音楽担当もボブ・ディランで、このサントラ盤は映画を見てなくても部屋に流しておくといい感じです。
今引っ張り出してきて聴いてます。

 →bobdylan.com: Pat Garrett and Billy the Kid

まあ、なんといっても「天国への扉(Knockin' on Heaven's Door)」ということになりましょうかね。
ディランの作品としては小品だと思うのですが、実によくライブで演奏しています。
オフィシャルサイトで見ると、9種類のバージョンがありますね。

 →Knockin' on Heaven's Door

あれ、"LIVE 75: THE ROLLING THUNDER REVUE"が一覧に入ってませんね。
これも実にいいです。

ほかにも、オフィシャルサイトに出ていなくて手元にあるものだと、トム・ペティ(TOM PETTY)と演ったライブ盤にも入ってます。

最後に盛り上げてしんみりさせる感じがライブ向きなんでしょうね。
元々が繰り返しだけみたいな曲なので、延々と繰り返しながらギターの演奏を聴かせたり、料理しやすいのかもしれません。

"DYLAN & THE DEAD"の演奏はちょっとかっこ良すぎるんじゃないかというぐらいいいですなあ。
"UNPLUGGED"の演奏も、とてもいいです。
ディラン本人が、この曲が好きなんでしょうね。

 ♪ Mama, take this badge off of me
 ♪ I can't use it anymore.
 ♪ It's gettin' dark, too dark for me to see
 ♪ I feel like I'm knockin' on heaven's door.

 ♪ Knock, knock, knockin' on heaven's door

 ♪ Mama, put my guns in the ground
 ♪ I can't shoot them anymore.
 ♪ That long black cloud is comin' down
 ♪ I feel like I'm knockin' on heaven's door.

 ♪ Knock, knock, knockin' on heaven's door


 ♪ ママ、このバッジをとってくれ
 ♪ もうつかいみちがない
 ♪ くらくなってきた、くらくて見えない
 ♪ おれは天国の扉をたたいているみたいだ

 ♪ ノック、ノック、天国の扉にノック

 ♪ ママ、おれのガンをはずしてくれ
 ♪ もう撃つことができない
 ♪ あの長い黒雲がたれさがってくる
 ♪ おれは天国の扉をたたいているみたいだ

 ♪ ノック、ノック、天国の扉にノック

                 (片桐ユズル訳)
Pat Garrett & Billy the Kid [Soundtrack]
Pat Garrett & Billy the Kid [Soundtrack]
1. Main Title Theme (Billy)
2. Cantina Theme (Workin' for the Law)
3. Billy 1
4. Bunkhouse Theme
5. River Theme
6. Turkey Chase
7. Knockin' on Heaven's Door
8. Final Theme
9. Billy 4
10. Billy 7


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灯台下暗し #2:楽天広場

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月21日 05:34
  • 日常雑記
ああ、やっぱりサイト内検索機能は付いていなかった。 つくづく残念である。

楽天広場はデザインだけブログっぽく見せようとしているのだが、やはり他のブログにはどれも備わっている、過去記事検索機能が欠けたままになっている。

 →灯台下暗し


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ディランの自画像 CHRONICLES #164

千本浜 2004年9月28日

Rhode Island Design Schoolという学校があります。

 →Rhode Island School of Design

どういう学校なんでしょうか。
東京芸術大学というよりは、桑沢デザイン研究所という感じなのかな。
桑沢のOBには仕事で世話になった人が何人かいます。

 →桑沢デザイン研究所

しかし、どちらのサイトも落ち着きませんなあ。
Java/Java Scriptを切ってあるブラウザでは見ることができないのも同じです。
WWWのサイトとしては、まずいと思います。

おっと、検索したらありました、ロードアイランドデザイン大学。
国際的に有名な学校なんですね。
京都精華大学が交換留学をやっているようです。

 →京都精華大学:国際交流

何かというと、ディランはレコード会社と一緒に、「音楽をやめてRhode Island Design Schoolに通う」という噂を立てたんだそうです。
この辺り、何がなんだかわかりませんわ。
雑誌はディランに踊らされて、いろいろなことを書き立てます。

ディランは2枚組みのアルバムを発表します。
ジャケットは自画像。
そう、"Self Portrait"(1970年)です。

 →bobdylan.com: Self Portrait

私はこのアルバムの冒頭にある"All the Tired Horses"が好きで、マイベストMDにも入れましたが、実はディランの声は入っていません。
女声コーラスが不思議な歌詞を繰り返すだけです。

 ♪ All the tired horses in the sun
 ♪ How'm I supposed to get any ridin' done?
 ♪ Hmm.

 ♪ 日なたのウマたちみんな疲れている
 ♪ どうやって どれに乗ったらいいんだろうか
 ♪ フム……
                   (片桐ユズル訳)

いわばアルバムのテーマソングとも言うべきもので、後は他人の曲あり、ワイト島のライブありと、ごった煮のようになっています。
私が実際にアルバムの形で買ったのはCDになってからなので、1枚に収まってしまっていますが、2枚組みLPだと実にどっしりとしていました。
ワイト島の音源がおなじみだったせいもあって、好きなアルバムです。

他人の曲が多いので、きっとファンには評判が良くないのでしょう。
多重録音で二人のディランが歌う「ボクサー」なんて変ですものね。
でも、おもしろいなあと思います。

Bob Dylan / Self Portrait
Self Portrait
1. All the Tired Horses
2. Alberta, No. 1
3. I Forgot More Than You'll Ever Know
4. Days of '49
5. Early Morning Rain
6. In Search of Little Sadie
7. Let It Be Me
8. Little Sadie
9. Woogie Boogie
10. Belle Isle
11. Living the Blues
12. Like a Rolling Stone
13. Copper Kettle (The Pale Moonlight)
14. Gotta Travel On
15. Blue Moon
16. Boxer
17. Mighty Quinn (Quinn the Eskimo)
18. Take Me as I Am (Or Let Me Go)
19. Take a Message to Mary
20. It Hurts Me Too
21. Minstrel Boy
22. She Belongs to Me
23. Wigwam
24. Alberta, No. 2


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翼をください

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月21日 00:19
  • 日常雑記
コンフェデ杯。 ヨーロッパ・チャンピオンのギリシャに勝ったと喜んでいたのも束の間。 メキシコがブラジルに勝ってトーナメント出場を決めたため、日本はブラジルに勝たないとリーグ敗退ということになってしまった。 おお、なんてこった。 ギリシャ相手に3点ぐらい取っておけばと、贅沢なことを言い出す。

ブラジルに「マイアミの奇跡」と呼ばれた世紀の番狂わせは1996年のアトランタ・オリンピックだった。
そのチームのキャプテンだった前園真聖選手も引退を決めた。
あの時はU23のオリンピックチーム。

そろそろ、A代表も何かの拍子でブラジルに勝ってもいいんじゃないか。
そんなふうに思ってしまったのだが。

おっと、その前にU20、ワールドユースのモロッコ戦があるわ。
ワールドユースとコンフェデ杯で、実に夜中のビールが増えてしまった。
忙しいのに困ったもんだと、嬉しい悲鳴です。

 →翼をください


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北国の少女 CHRONICLES #163

保線区 2005年6月18日

ディランはエルサレムに旅行し、嘆きの壁(Western Wall)の前でつばのない帽子(skullcap)を被って写真を撮りました。
その映像はすぐに世界中に送られましたが、とたんにディランはシオニストだということになりました。
帰国して一見カントリー&ウェスタンのように見えるアルバムを作りました。
いつもとは違う声で録音したので、みんな頭をかきむしりました。

ああ、これは私が初めて買ったディランのアルバム、『ナッシュビル・スカイラン(Nashville Skyline)』(1969年)ですね。

 →bobdylan.com: Nashville Skyline

先にワイト島フェスティバルのライブEPを買っていたので、驚きました。
後からわかったのですが、これは『セルフ・ポートレイト(Self Portrait)』(1970年)からワイト島の部分だけカットしたものだったんですね。

ただ、私の場合はディランの他のアルバムに親しんでいたファンほどのショックは受けませんでした。
ディランという人は元々こういう声なんだろうなと思いました。
なにぶん「遅れてきた少年」だったので、かえって先入観なしにこのアルバムを聴けたのはかえって良かったのかもしれません。

A面1曲目が「北国の少女(Girl of the North Country)」。
ジョニー・キャッシュの声はすごい迫力です。
サイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア(Scarborough Fair)」と似てるなとは思いましたが、元歌が同じだと知ったのは、それからかなり後になってからです。

 →スカボロー・フェアについて

あ、コンフェデ杯、ギリシャに勝った!


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さよなら再見!

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月19日 23:41
  • 日常雑記
駅周辺の再開発で、昔からある商店街の一画が消える。

フォンテーヌという名前の店は、小学生のころ親に連れられて初めて入った喫茶店だ。
別に楽しい用事ではなく、従姉の彼氏との話し合いのようなもので、夜遅い時間だった。
飾りに置いてある外国語の本をぱらぱらと眺めていた。

CBという名のカレースタンドは高校生の頃に何度か行った。
ファーストフードのチェーン店も、コンビニもまだない頃。
放課後にそんなものを食べて、なおかつ家で夕飯をしっかり食べていたのだ。
ああ、いくらでも食えた、あの頑強な胃袋よ。

週末の夜はその裏通りでギターの弾き語りをしながら手製のCD-Rを売っている若者がいる。
あの娘はこれからどうするのかな。


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幸福の風景 CHRONICLES #162

千本浜 2004年10月

異常な人気と貼り付けられたラベル、実際に押し寄せてくるいいかげんな連中や取材記者、そして街の人々の視線に、ディランは苦しみます。
でも、あまり暗い筆致ではありません。
ついつい、読んでいる人を楽しませようとしてしまうようです。

chappi-chappiさんのレスに返事を付けていて気づいたのですが、"Esquire"の表紙をマルコムXやケネディと共に飾ったのは、とても恐いことだったのではないでしょうか。
僕はただの歌手なのに、暗殺された政治家たちと並べられている。
僕も暗殺されるんじゃないだろうか。

政治家ケネディの暗殺を一人の父親の死として受け止めたのは、子供たちに囲まれて家庭の平和な幸せを感じていたディランにとって、とても身近なものに感じられたからでしょう。

自分もそんなふうに突然殺されるかもしれない。
でも、自分はこの子たちを守らなければならない。
そのためには、自分の身も守らなければならない。

そうは書いていないのです。
ディランはついついドタバタをおもしろく描いてしまいます。

ディランにとって最も大切なのは、家族が息をする空間を手に入れることでした。

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It was tough moving around -- like the Merle Haggard song, "...I'm on the run, the highway is my home."
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マール・ハッガード(Merle Haggard)の"I'm A Lonesome Fugitive"という曲ですね。
「逃亡者」という邦題が付いていたかもしれません。

 →I'm A Lonesome Fugitive

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Creativity has much to do with experience, observation and imagination, and if any one of those key elements is missing, it doesn't work. It was impossible now for me to observe anything without being observed.
-------------------------------------------------------

人は街でディランを見掛けるとささやきあいます。
「あれよ、あの人よ」
「あれが?」
自分を中心に、山が動いているかのように、人が動きます。

ああ、似たような光景を、この地方都市で見た記憶があります。
私はバルセロナオリンピックの年に、故郷に帰ってきました。
夜中に水泳競技の中継をテレビで流しながら仕事をしていると、中学2年生の女の子が優勝してしまいました。

「今まで生きてきた中で一番幸せです」

休みの日に家の近くのロッテリアで友だちとおしゃべりをするのが大好きな普通の女の子だったのですが、しばらくはそんなことがまったくできなくなってしまいました。
「あ、あの子よ」
「あれが?」
みんなが、ささやくのです。


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灯台下くらし:楽天広場

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月17日 18:34
  • 日常雑記
楽天広場でもやっと各ページに検索機能が付くのだそうな。 一瞬嬉しかったのだが、よく見ると、あれあれ?

「広場」「ブログ」「買い物」「Web」

この4種類の検索らしいのだがどうなんだ?
「広場」は楽天広場だろう。
「ブログ」は何なんだろうか。
自分の「日記/ブログ」というサイト内検索だったら、私が以前から望んでいたものだ。
それなら嬉しい。
そうでなかったら、つまりWWWに氾濫する「ブログ」全般の検索機能だったら、要りませんよ。

幻泉館本館では「Movable Type」というスクリプトを使っているので、トップに「サイト内の検索」という小窓が付いている。
 →幻泉館日録
ミラーのlivedoorでは「Blog内検索」。
 →幻泉館日録@livedoor
同じくミラーのgooでは「このブログ内で」検索。
 →幻泉館日録@goo
同じくミラーのSo-netでは「幻泉館主人 さんの記事から」「記事検索」。
 →幻泉館日録@So-net
同じくミラーのteacupでは「ページ内検索」。
 →幻泉館日録@teacup
つまり、どの「ブログ」にも、サイト内検索機能がある。

この「サイト内検索」が楽天広場にはないので、不便を感じていたのだ。
幻泉館日録@楽天の記事数は、この書き込みをする前の段階で [全752件]。
ただただ、この中を検索したかっただけなのである。

今使っているブラウザ「Mozilla Firefox」にも、「Slepnir」にも、ちゃんと検索窓が付いている。
つまり、サイトの方に「Web検索」の機能など要らない。
もしも、21日に付加される「検索機能」の「ブログ」が、自分の「日記/ブログ」内を検索するものでなかったら、この新機能は私には不要である。

どうも楽天広場は以前から体裁だけ「ブログ」に近づけて、「楽天広場は国内最大級の無料ブログサービスです」と言いたがっているようである。
他のブログには、みんなサイト内検索機能が付いているのだから、少なくともそれぐらいは付けてもらいたいと思っていた。

今回の改変が、「サイト内検索」を含んでいるものでありますように。


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無秩序の大司教 CHRONICLES #161

千本浜 2004年9月30日

ディランは自分の曲の歌詞が心を打ったのだろうと言っています。
でも、言葉だけではなかったはずだとも。
そうでなければ、デュアン・エディ(Duane Eddy)がディランの曲だけでインストルメンタルのアルバムを出すこともなかったはずなのです。

そんなアルバムのことなど知らないので、amazonで検索してみました。
-------------------------------------------------------
Duane A-Go-Go/Duane Does Dylan
Duane A-Go-Go/Duane Does Dylan

[BEST OF] [FROM US] [IMPORT]
Duane Eddy
1.Trash
2.Puddin'
3.Moovin' 'N' Groovin'
4.Choo Choo a Go Go Toot! Toot!
5.Just to Satisfy You
6.Around the Block in 80 Days (March in "A")
7.Cottonmouth
8.If You've Seen One You've Seen 'Em All!
9.South Phoenix
10.Dream Lover
11.Busted
12.I'm Blue
13.Don't Think Twice, It's All Right
14.House of the Rising Sun
15.It Ain't Me Babe
16.Not the Lovin' Kind
17.She Belongs to Me
18.All I Really Want to Do
19.Houston
20.Love Minus Zero/No Limit
21.Mr. Tambourine Man
22.Blowin' in the Wind
23.Swing Low, Sweet Chariot
24.Eve of Destruction
-------------------------------------------------------

どうも後半だけがディランの曲なので変だなと思って、さらにgoogleで検索してみます。

 →DUANE EDDY DISCOGRAPHY

なるほど、1965年に出した2枚のアルバムを、一枚のCDにまとめたのですね。
シングルカットされたのが、「Don't Think Twice/House of The Rising Sun」ということになるようです。

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Musicians have always known that my songs were about more than just words, but most people are not miusicians. What I had to do was recondition my mind and stop putting the blame on external forces.

ミュージシャンはいつも僕の歌が単なる言葉以上のものだったということを知っているのだが、ほとんどの人はミュージシャンではない。僕がやらなければならないのは、自分の精神を回復させて、外部の力のせいにするのを止めることだった。
-------------------------------------------------------

「自分の荷物を捨て去る」という比喩も遣っています。
自分の曲の歌詞に、外から余計な意味が付け加えられるのにうんざりしていたのですね。
そして、ディラン自身にもいろいろな修飾語が付け加えられてしまいます。

the Big Bubba of Rebellion 反乱の大立て者
High Priest of Protest 抗議の司祭長
the Czar of Dissent 不同意のツァーリ
the Duke of Disobedience 不服従の公爵
Leader of the Freeloaders たかりのリーダー
Kaiser of Apostasy 背教の皇帝
Archbishop of Anarchy 無秩序の大司教
the Big Cheese 重要人物

ほとんどの言い回しが、ほぼ同じ内容です。
つまり、反社会的なことがらの大物ということです。
プロテストシンガーというよりも、反社会的運動の指導者のようです。
雑誌の表紙で顔写真がマルコムXやカストロと合成されるのも道理です。

ディラン自身は、はここに並べたような呼称はすべて「無法者を指す暗号だ」と書いています。


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四顔の郷士 CHRONICLES #160

千本浜 2004年10月

ディランはひたすら家にひきこもっていた時期なのですが、マスコミの取材攻勢が止むということはありませんでした。
記者がドアを激しく叩くのを止めるために、顔を出さなければならないこともありました。

「今起きているようなことに関して、お話を伺えませんか?」
「いいけど、どんなこと?」

記者は矢継ぎ早に質問を浴びせかけるのですが、ディランは何度も同じことを繰り返すだけです。

「僕は何の代弁者でも、誰の代弁者でもない。ただのミュージシャンだ」

記者はディランの目を覗き込んで、バーボンやアンフェタミンの証拠がないか探します。
ディランには、記者たちがいったい何を考えているのかさっぱりわかりません。
しばらくすると、こんな見出しを付けた記事を通りで見掛けるのです。

「代弁者であることを、代弁者が否定する」

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I felt like a piece of meat that someone had thrown to the dog.
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やっぱりディランの比喩はおもしろいですな。

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「ニューヨークタイムズ」誌は僕の歌をガーガーと解釈した。
「エスクァイア」誌は、表紙に四つの顔を持つ怪物を掲載した。
マルコムXとケネディとカストロと、僕の顔だ。
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おお、これは!
と思って検索したらありました。
だいぶ遡りますね。

 →"Esquire"1965年9月号

このコラージュは右半分の二人が暗殺され、左半分がいつまでも元気なおっさんということになりました。

「リーダーズ・プラス」掲載の"Esquire"を引用しておきます。

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Esquire
n.『エスクァイア』 《もとメンズウェアのコピーライター Arnold Gingrich (1904-76) の編集により 1933 年に季刊誌として創刊された米国の都会派高級メンズマガジン; 第 2 号より月刊 (一時期月 2 回刊); 政治・経済・文学・スポーツ・ファッション・料理・旅行など「男にとって興味のあるもの」を広範囲にわたり徹底して追及するというのが編集方針で, かつてはそのピンナップヌードが俗うけしたが, 記事の質は高く, 有名作家・ノンフィクションライターもよく登場する; New Journalism を育てた雑誌として知られる; 発行元 Esquire Magazine Group, Inc. (Hearst_ Corp. の一部門)》
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安保をつぶせ!

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月16日 01:08
  • 日常雑記
6月15日が終わった。 1960年、樺美智子という学生が亡くなった日である。 享年22。

生きていれば、もう67歳になるのだ。
倉橋由美子さんは69歳で亡くなった。
当然のことなのだが、『パルタイ』の作者と樺美智子さんは同世代だったのである。

60年安保のこの年の秋には、社会党の浅沼稲次郎委員長が右翼少年に刺殺された。

 →樺(かんば)美智子

写真は1980年6月15日、日比谷野外音楽堂。
1980年6月15日 日比谷野外音楽堂 安保をつぶせ!


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君の窓から CHRONICLES #159

千本浜 2005年5月21日

もちろん子供のおもちゃが散乱した家の中に誰かを入れるなどということはありませんでした。

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As for house rules, we didn't have many. If the kids wanted to play basketball in the kitchen, they played basketball in the kitchen. If they got into the pots and pans, we put all the pots and pans out on the floor. My house was chaotic inside as well as out.
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あれま、ディランはやっぱり大甘のパパであったようです。

「As for ?」というのは懐かしい受験英語でありましたな。
「about ?」ぐらいの意味ですが、文頭でこれまでの話題に関連した新しい話題を持ち出すのに遣います。
だから強めに「?はどうかといえば」みたいに訳しましたね。

「pots and pans」は日本語で言えば「鍋釜」で、炊事用具一般を指します。
こういうものも散乱しているので、家の中も、外と同様に大混乱。
ディランの文章は楽しいです。

ページが変わると、いきなりジョーン・バエズの名前が出てきます。

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Joen Baez recorded a protest song about me that was getting big play, challenging me to get with it -- come out and take charge, lead the masses -- be an advocat, lead the crusade.
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ジョーン・バエズはディランが作った曲をいくつも歌っています。
1968年にはディランの曲を歌ったアルバムも出しています。
"I SHALL BE RELEASED"の歌詞からタイトルを採った"Any Day Now"です。

でも、ディランのことを歌った歌というのは何なんでしょうか。
"DIAMONDS AND RUST"や"WINDS OF THE OLD DAYS はこの数年後の曲だし、内容も違います。

 →JOAN BAEZ: Any Day Now

あ、私が持っているのはこちらのアルバムです。

 →Baez Sings Dylan

二人の関係が書いてあります。

かつて「フォークの王様と女王様」だった二人は、1969年の時点ではかなり遠いところにいました。
家の中に引きこもって、子供たちとの日々に幸せを見いだしたディランに、ジョーン・バエズは社会運動への参加を呼びかけたようです。

ウッドストックのコンサートにもディランは出演していませんが、バエズは出ていますね。
中学生の時に映画『ウッドストック』を観た時の「ジョー・ヒル」をよく覚えています。

なんとなくジョーン・バエズはディランよりお姉さんだと思い込んでいましたが、ディランと同じ1941年生まれなんですね。


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春婦伝

  • Posted by: 幻泉館主人
  • 2005年6月14日 15:51
  • 映画
6月14日付の東京新聞「筆洗」では中山文科相の発言を採り上げて、日本の戦争体験の風化を語っている。

 →東京新聞「筆洗」
 (朝日の「天声人語」みたいなコラムね)

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ソ満国境・孫呉の師団司令部近くにあった慰安所の門には「満州第何百何十何部隊」の大きな標札がかかり「誰の目にもそれが軍の関与する施設であることは明らかであった」

安岡章太郎『歴史への感情旅行』(新潮文庫)所収「白い脚の記憶」
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田村泰次郎『肉体の門』は、これは「戦後」を描いたもの。
1964年に鈴木清順監督が映画化したものが有名だ。
清順さんは翌1965年に『春婦伝』も映画化しており、こちらの方が従軍慰安婦のお話。
どちらも野川由美子さんの演技が鮮烈な印象を残す。
「鈴木清順50周年プロジェクト」の一環として、『春婦伝』のDVDも発売されるらしい。

谷口千吉監督、黒澤明脚本、出演が池部良、山口淑子という『暁の脱走』(1950年)も、原作は同じ『春婦伝』である。

もちろん直接経験などしていないが、どんなことが行なわれていたのかは、70年代ごろまでは誰もが知っていたのだ。

今、文部科学大臣が率先して、自明の理であった事実を消そうとしている。
「そもそも従軍慰安婦という言葉はなかった」

無知で言っているのではない。
無恥なのである。

無責任な挑発的言動を繰り返すうちに、それを事実と勘違いする者も出てこようというものだ。
大臣として不適格と言わざるをえない。

深夜に繰り返して流している報道番組では、普通のニュースでカットされる映像も流れる。
「勉