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CHRONICLES #84 僕の歌

千本浜 2005年2月23日

マイク・シーガーの完璧な独演に夢中になりながら、ディランは自分のことを考えました。

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僕が取り組まなければならないものを、マイクは既に遺伝子の中に、その遺伝子の構造の中に持っていた。この音楽は、生まれる前からマイクの血の中に流れていたに違いない。誰もそれをただ学ぶなんてことはできないのだ。そして僕は自分の中の思考パターンを変えなければならないのだということが、わかり始めた。以前だったら許さなかったような、可能性というものを信じなければならない。僕はそれまでずっと自分の創造力を、とても狭い、操りやすい規模にまで閉じてしまっていた。それに慣れすぎてしまっているので、僕は自分の頭を混乱させなければならないのかもしれない。
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これは驚きました。
あの自信の塊のようなボブが、本物に圧倒されて、生きかたを変えようと考えたのです。
ボブ・ディランにとっての「私の大学」フォークロア・センターに入り浸って懸命に「フォークソング」を学習していたころです。
生で観るマイクの演奏はすごかったんでしょうね。

思えば、音楽に対するこの真っ直ぐな姿勢が、ディランの真骨頂なのでしょう。
すべてが歌を中心に回っているのです。

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自分のやっていることが正しい方向にあるということ、正しい道を進んでいるということ、言葉とメロディと変化を覚えて知識を迅速かつ直接手に入れつつあるのだということはわかっていた。でも、僕がその知識を実際に活用するのには残りの人生をすべて費やさなければならないかもしれない。マイクはそんなことをする必要がない。マイクはまさにただそこにいた。
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う?ん、ビデオ"Pete Seeger's Family: SING-A-LONG"を観た時、そんなにすごい人だとは思いませんでした。
ダメですな、やっぱりあたしゃ才能がないのでしょう。

ディランによれば、「フォークソング」とはとらえどころのないものだそうです。

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一つの歌が千以上もの顔を持っている。そしてもしもその曲を演奏したいと思うのなら、そのすべてに会わなければならないのだ。
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ひぇ?。

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フォークソングというのはその意味が様々に変化し、ある瞬間からその次の瞬間に至る間に、もう同じようには見えないかもしれない。それは誰が演奏し、誰が聴いているかによるのだ。
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遺伝子の構造に「フォークソング」が組み込んであるマイクには、「フォークソング」では勝てない。
それでボブ・ディランが下した結論はこういうものです。

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The thought occurred to me that maybe I'd have to write my own folk songs, ones that Mike didn't know.

もしかしたら、僕は自分自身のフォークソングを、マイクの知らないフォークソングを書かなければならないのかもしれないという考えが頭に浮かんだ。
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なんだかあんまり論理的ではないような気もしますが、正しい方向性でしたね。
本日の結論は、強引マイウェイということで。


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