- 2004年12月 5日 00:19
- ボブ・ディラン自伝『クロニクルズ』
今日はネタがないからはっぴいえんどの「12月の雨の日」のタイトルだけ書いておこう。
というのが幻泉館日録のスタイルだったのですが、そんなことがなくなってしまいました。
夜にクロニクルズのネタはつきまじ。
どこまで行っても終わりません。
日本語版が出たら?
その時は誤訳指摘サイトに変わってしまうかもしれませんね。
あの『メイキング・オブ・ブレードランナー』や『9.11』の訳者だったら絶対に間違えるよなあという箇所が毎ページ出てきます。
英文を読む時はいちいち日本語に訳したりしないものですが、さすがにこのペースだと、ここはどう訳すといいのかなあなどと考えてしまいます。
私が立ち止まって考えたところでは、品川四郎さん(の下請け?)や山崎淳さんは間違えるはずです。
そんな水準で訳書を出したら、力いっぱい誤訳指摘サイトに変身しますよ。
一粒で何度でもおいしい『クロニクルズ』です。
良質な翻訳書を出してくださいよ、あなた。
もちろん私の間違いがたくさんわかったら、大お詫びサイトになります。
さて、段落が変わっても、ディランはまだレイとクローイの書庫を描写しています。
二十歳ぐらいの時の友人の蔵書……確かに結構はっきり覚えているものです。
Standing in this room you could take it all for a joke.
There were all types of things in here.
この部屋の中に立っていると、全部が冗談のようにも思えた。
部屋の中にはあらゆる種類のものがあったのだ。
活版印刷(typography)
碑文研究(epigraphy)
哲学(philosophy)
政治思想(political ideologies)
このあたりは、私の部屋も似たようなものです。
エピグラフィの本はありませんがね。
その後にまた固有名詞が続きます。
う?ん。
『ローマ皇帝伝(The Twelve Caesars)』
ペリクレス『民主主義の理想国家(Ideal State of Democracy)』?
トゥキュディデス『アテネの将軍(The Athenian General)』?
こりゃわかりませんわ。
ディランは読んでますよ、これ。
「寒気を催すような物語だ」と書いています。
キリストが生まれる400年も前に、人間というのはさらに優れたモノに対して常に敵であったと書かれた、のだそうです。
「トゥキュディデスは、彼の時代の言葉が、その本来の意味からどれだけ変わってしまったか、瞬きする間に行動や意見がどれだけ変わるのか、書いている。
彼の時代から今まで、それはまったく変わっていないのだ。」
その後には、もっとおなじみの名前が並んでいます。
ゴーゴリ、バルザック、モーパッサン、ユーゴー、ディケンズ。
ディランは適当に本を手に取って真ん中辺を数ページ読んで、気に入ったら最初から読んだそうです。
『薬物学(Materia Medica) 病気の原因と治療』はいい本だったと言っているのがおかしいです。
自分が受けなかった分野の教育を求めたのだそうです。
表紙に走り書きのしてある本もありました。
レイとクローイが一言で感想をメモしたのでしょう。
マキャベリの『君主(The Price)』には、「活動家の精神(The spirit of the hustler)」と書いてあり、ダンテの『地獄篇(Inferno)』(『神曲(La Divina Commedia)』中の初篇)には「コスモポリタン」と書いてありました。
本は特定の秩序やテーマもなく並んでいました。
ルソーの『社会契約論(Social Contract)』は『聖アントニウスの誘惑(Temptation of St. Anthony)』の隣にあり、オウィディウスの『変身物語(Metamorphoses)』はデイビー・クロケットの自伝の横にありました。
ディランは本が好きですね。
この後まだ延々と書物の話が続きます。
ただいまp.37に入ったところ。