- 2004年12月 2日 00:27
- ボブ・ディラン自伝『クロニクルズ』
ディランにとって、歌は自分を導いてくれるものでした。
解放された、自由の共和国へ。
それを三十年後にグリール・マーカス(Greil Marcus)が「目に見えない共和国(invisible republic)」と呼ぶことになります。
→The Official Greil Marcus Home Page
とにかくディランには、大衆文化の主流というものが時代遅れでインチキなものに見えました。
窓の外に壊れることのない霜の海があって、そこを不便な履物で歩かなければならないようなものだった。
誰もそんなことで思い悩んではいなかった。
自分たちがどんな時代にいるのかということも、歴史の真実とは何なのかということも、僕にはわからなかった。
もしも本当のことを言えば、それで万事よくなるだろう。
でも、本当じゃないことを言っても、それで万事よくなってしまうのだ。
フォーク・ソングは僕にそんなことを教えてくれた。
何時だったのかといえば、いつも陽の光が差し始める時だった。
そして僕も歴史のことがちょっとだけわかった。
ほんの数ヶ国の歴史だけ。
それはいつも同じパターンなんだ。
社会が成長し、栄え、そして崩壊していく、歴史のどの時点にアメリカがいるのかということが、ディランには気になっていたようです。
二十歳ぐらいの若者ディランが、一所懸命に時代のことを考えていたんだなあ。