ひどい雨がふりそうなんだ CHRONICLES #498

千本浜 2008年2月17日
 →bobdylan.com: A Hard Rain’s A-Gonna Fall
 ♪ Oh, where have you been, my blue-eyed son?
 ♪ Oh, where have you been, my darling young one?
 ♪ ああ、どこに行っていたの、青い目の我が息子よ?
 ♪ ああ、どこにいたの、愛しの息子よ?
      「激しい雨が降ってくる」中川五郎訳
 ♪ どこへいってたの、青い目のむすこ?
 ♪ どこへいってたの、わたしのかわいい坊や?
      「ひどい雨がふりそうなんだ」片桐ユズル訳
ひさしぶりに片桐ユズル&中山容訳の『ボブ・ディラン全詩 302篇』を引っ張り出して、五郎さんの訳と比べてみました。
ユズルさんの訳は極力漢字を使わずに、なおかつ「歌」に近い形になっているようです。
これは”A Hard Rain’s A-Gonna Fall”の冒頭で、この曲はディランが演劇に影響を受けて書いたと挙げた歌の中で最後に並んでいます。
歌い出しの歌詞だとまるでピート・シーガーの「花はどこへいった」みたいだけれど、この後には、暗い、死の世界が描かれます。
狼に囲まれた新生児。
黒い枝からしたたる血。
血まみれのハンマーを持った男の一団。
武器を手に持つ子供たち。
第二連で描かれた死の映像が、第三連では音に変わります。
雷鳴の警告。
全世界を溺れさせる波のうねり。
百人の男が燃え上がる手で叩く太鼓。
千人のささやき。
どぶの中で亡くなった詩人の歌。
道化師の叫び声。
第三連は出会った人たちのことですが、ここでやっとほんの少し明るい言葉が出てきます。
 ♪ I met a young girl, she gave me a rainbow,
「虹」って何なんでしょう。
最後に、母親はこれからどうするのか、青い目の息子に尋ねます。
息子は、ふたたび暗い森の奥深くに行くのだと答えます。
そう、青年は荒野を目指すものなんです。
 ♪ And I’ll tell it and think it and speak it and breathe it,
 ♪ And reflect it from the mountain so all souls can see it,
 ♪ Then I’ll stand on the ocean until I start sinkin’,
 ♪ But I’ll know my song well before I start singin’,
 ♪ And it’s a hard, it’s a hard, it’s a hard, it’s a hard,
 ♪ It’s a hard rain’s a-gonna fall.
 ♪ それでぼくはそのことを告げ、かんがえ、しゃべり、呼吸するだろう
 ♪ 山から反射させ すべての人に見えるようにしたい
 ♪ そして沈みはじめるまで海に立っていたい
 ♪ だけどうたいはじめるまえに自分の歌をよくわかるようになるだろう
 ♪ それで ひどい ひどい ひどい ひどい
 ♪ ひどい雨が降りそうなんだ
      「ひどい雨がふりそうなんだ」片桐ユズル訳
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カテゴリー: ボブ・ディラン自伝『クロニクルズ』 タグ: パーマリンク

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