ミスター・タンブリン・マン CHRONICLES #494

千本浜 2008年1月10日
ディランが”It’s Alright Ma (I’m Only Bleeding)”に続けて挙げている”Mr. Tambourine Man”なんですが、これがまたよくわかりません。
 →bobdylan.com: Mr. Tambourine Man
リーダーズ英和を引いてみると、おもしろいことが書いてあります。
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 tambourine man
 n. 《俗》 麻薬の売人.
 [Bob Dylan の歌 ‘Mr. Tambourine Man’ から]
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「Mr. Tambourine Man」はタンブリン奏者以外の何者でもないはずです。
少なくとも、ディランが歌うまでは。
 ♪ Hey! Mr. Tambourine Man, play a song for me,
 ♪ I’m not sleepy and there is no place I’m going to.
 ♪ Hey! Mr. Tambourine Man, play a song for me,
 ♪ In the jingle jangle morning I’ll come followin’ you.
 ♪ ねえ、ミスター・タンブリン・マン、ぼくのために一曲やっておくれ
 ♪ ぼくは眠くないし、行くあてもないんだ
 ♪ ねえ、ミスター・タンブリン・マン、ぼくのために一曲やっておくれ
 ♪ ジンジャカ鳴り響く朝の中、ぼくはあんたについていくよ
      (中川五郎訳「ミスター・タンブリン・マン」)
タンブリン(タンバリン)奏者に、「一曲やってくれ」と言うのも、なんだか変ですね。
音楽を聴きたいのではなくて、「ぼく」を踊らせてくれ、行動へ誘ってくれと頼んでいるのです。
 ♪ Take me on a trip upon your magic swirlin’ ship
 「あんたの魔法渦巻く船に乗っけてぼくを旅に連れ出しておくれ」
 ♪ Into my own parade, cast your dancing spell my way
 「自分自身のパレードの中へと、ぼくの行く手に踊りの魔法をかけておくれ」
 ♪ Then take me disappearin’ through the smoke rings of my mind
 「ぼくの心の中に浮かぶ煙の中へとぼくを消し去っておくれ」
なるほどなあ、出来合いのスラングを使ったのではなくて、ディランが作った歌によって、タンブリン奏者が麻薬の売人になってしまったわけです。
ただ、この歌に関しては、なんといってもまずThe Byrdsの演奏を思い浮かべてしまいますね。
あの12弦ギターの音が、時代の雰囲気を伝えているように感じます。
さて、”It’s Alright Ma (I’m Only Bleeding)”と”Mr. Tambourine Man”が並んでいるだけなら、そんなにひっかかることはなかったのです。
なぜディランは、その後に”Lonesome Death of Hattie Carroll”を続けたのでしょうか。
言葉の象徴的用法が、違うように思うのですが。
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9条を殺すな!

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