廃墟の街

ボブ・ディランの自伝『クロニクルズ(Bob Dylan “CHRONICLES VOLUME ONE”)』に「廃墟の街(Desolation Raw)」が出てきたので、ここ数日繰り返して聴いている。
象徴的な歌詞なので、いくらでも深読みができそうだ。
メロディは違うのだが、吉田拓郎さんの「イメージの詩」は、この曲のアレンジを真似たギターだと思う。
拓郎さんの方は深読みの利かない、わかりやすい喩えだ。
でも、どちらの曲も延々と続き、しかもいつまでも聴いていたいと思う。
1曲目が”Like a rolling stone”で最後がこの曲なんだから、『追憶のハイウェイ61(HIGHWAY 61 REVISED)』というアルバムはすごいものだ。
やっぱり傑作なんだろう。
同時代のアルバムとして聴くことができなかったのは残念だ。
私はまだ小学校の低学年だったのですよ。
 →bobdylan.com: HIGHWAY 61 REVISED
ところで私はここのところずっと自分で歌う曲を作りたいと思っているのだが、音楽的素養など皆無なので、そうそう簡単に作れるものではない。
ここでふと我が心の師匠故高田渡大人を思い出した。
うむ、拝借すれば良いのだ。
その気になって”Desolation Raw”を聴く。
何度も聴く。
しかし歌詞もできないのである。
聴けば聴くほど、各連の最後にある”Desolation Raw”という言葉は動かしようがないのだ。
そりゃディランの言葉に勝とうなんて、百年早いわ。
ここで少し日和って、”Desolation Raw”の自分なりの訳詞なんてのを考える。
ほら、”I Shall Be Released”にいろいろな日本語歌詞があるじゃない。
 →2004年5月26日付日録:われ解放さるべし
しかし、これだけ固有名詞をちりばめられると、歌える翻訳は厳しいなあ。
たとえば「良きサマリア人」は日本語としては正しい訳語だけど、そのまま遣える言葉ではないだろう。
翻案が必要だ。
替え歌路線と超訳詞路線を行ったり来たりしながら”Desolation Raw”をぐるぐる聴いて。
また夜が更けていくのです。
 →bobdylan.com: Desolation Raw
Bob Dylan 1960

幻泉館 リンク用バナー

輪島の瞳

遠藤賢司さんの、異形の曲とも呼ぶべき「輪島の瞳」。
元横綱がプロレスラーになった時の歌だ。
もちろん、輪島は力道山にはならなかった。
輪島と貴ノ花が同時に大関昇進したのは、1972年。
輪貴時代とは呼ばれたけれど、戦績にはかなり差がある。
ただ、まさに記憶に残る大関が貴ノ花だった。
私は普段大相撲など観ることがないのだが、1975年3月の優勝は、よく覚えている。
敵役の北の湖を優勝決定戦で破った時は、街がどよめいた。
みんなテレビを観ていたのだ。
 →貴ノ花・輪島、大関昇進(1972)
 
元大関貴ノ花の二子山親方が死去。
享年55。
本当に記憶に残る大関だった。
渡さんよりも一つ若い。

幻泉館 リンク用バナー

フォーク・デイズ 2002

渡さんの映像をDVDに落としておこうと、古いVHSテープを掘り起こしています。
「フォーク・デイズ 高田渡」
こんなラベルを貼ったものが出てきて何かなと思ったら、フジテレビのイベントでした。
坂崎幸之助+篠原ともえ+高嶋彩の三人が司会進行。
2002年8月8日、お台場のフジテレビ7F特設ステージで行なわれたコンサートだそうです。
本当は「お台場どっと混む!Presents フォーク・デイズ夏まつり ともえちゃんフォークジャンボリー」といったタイトルであるようです。
CSのフジテレビ721で流したものを録画しておいたんですね。
放映は2002年10月だったみたい。
第1部「Young Folk」
 ・コブクロ「太陽」「願いの詩」
 ・BEGIN「涙そうそう」「島人ぬ宝」
 ・時の徘徊「少年の唄」
 ・素一「白い月」
素一(すっぴん)って、所ジョージさんのプロデュースなんですね。
今も活動してるんでしょうか。
第2部「坂崎幸之助のJ-POPスクール」
 ・坂崎幸之助「空いろのくれよん」
 ・高嶋彩「結婚しようよ」
 ・篠原ともえ「地下鉄にのって」
 ・市井紗耶香「サルビアの花」
 ・唐沢美帆「悲しくてやりきれない」
 ・下川みくに「ポスターカラー」
 ・松本英子「あの歌が思い出せない」
 ・辻カオリ「コーヒーブルース」
 ・藤田陽子「値上げ」
 ・ソニン「カレーライス」
 ・中澤裕子「白い色は恋人の色」
 ・くまきりあさ美「赤い風船」
 ・高山厳「忘れません」
幸之助さんの生ギターで、いろいろな人が昔の「フォーク」を歌います。
高山厳さん(元バンバン)は別格で、キーボードの弾き語りです。
フジテレビのアナウンサーの歌まで聴かされたのには閉口。
第3部「フォークデイズスペシャル」
 ・加川良withすぎの暢
  「コスモス」
  「教訓 I」
  「幸せそうな人たち」
 ・なぎら健壱
  「ぐち」
  「鉱夫の祈り」
  「永遠の絆」
  「昭和の銀次」
 ・高田渡
  「仕事さがし」
  「アイスクリーム」
  「スキー(替え歌)」♪借?りたお金は
  「トンネルの唄」
  「夕暮れ」
  「生活の柄」(+なぎら+坂崎)
  
ああ、これを待っていたのだよ。
長かった?。
あらま、すぎの暢さんは春一番で観た時と髪の長さがまったく違います。
屋外なのですが、風が強くて大変そう。
なぎらさんは高田渡さんのネタで会場を笑わせます。
「お盆だから帰ってきた」
もう冗談になりまへん。
「すかんぽ」を歌いながら寝てしまった話。
笑いながら泣けてきますわ。
渡さんは「生活の柄」以外は独りの弾き語り。
思っていたより曲数が多いので嬉しゅうございます。
エンディングに全員(?)で「あの素晴らしい愛をもう一度」。
渡さんもギター弾いてたけど、これは歌ってないんだべな。
 →醤油屋の弟子的こころだぁ?!!:フォーク・デイズVo.l22

幻泉館 リンク用バナー

赤い武功章 CHRONICLES #146

千本浜 5月21日
二人の会談は、マクリーシュの話をディランが拝聴するという感じだったようです。
マクリーシュは『赤い武功章』のスティーヴン・クレインのことを語りました。
クレインはいつも弱者の側に立つ、病弱な記者でした。
そして雑誌にバワリー(Bowery)街の物語を書きました。
バワリー街はニューヨークの、安酒場や安宿のある地域です。
その連載で、厳しく取り締まる警察の風俗犯罪取締班からある売春婦を擁護するような記事を書いたので、裁判になってしまったそうです。
キューバ動乱を取材に行きました。
大酒を飲んで、結核を患い、28歳の若さで亡くなります。
マクリーシュは、ディランにクレインを読むように勧めたのですね。
ディランは、クレインは文学の世界でのロバート・ジョンソンみたいだなという印象を抱いたそうです。
 →Wikipedia: スティーヴン・クレイン
 →ロバート・ジョンソン
ところでクレインの『赤い武功章』なんですが、この小説は学生時代に英語の授業で読まされました。
いまどきヘミングウェイやクレインを読まされる授業なんてないんでしょうね。
文学部ではありませんでしたが、英語の先生はいい先生が多かったような思い出があります。
ただいまp.111です。
www.iraqbodycount.org www.iraqbodycount.org
www.iraqbodycount.org

幻泉館 リンク用バナー

甦る皇軍

「元日本兵」という言い方だけでも、十分に変だった。
たとえば内務班の訓練で敗戦を迎えたうちの親父様だって、元日本兵だったのだから。
ところが、今回の新聞の見出しはさらに奇妙なことになっている。
「旧日本兵」なのだ。
「元日本兵」から「旧日本兵」への変化。
これが日本のマスコミの変化である。
まるで「新日本兵」がいるみたいじゃないか。
そうか、いるのか。
たとえば何をしているのか知らないが、イラクに「新日本兵」がいるのか。
5月28日付東京新聞朝刊の「筆洗」も、この「旧日本兵」という呼称を採り上げていた。
後半は、厚生労働政務官の極右発言批判になっている。
大島渚監督に『忘れられた皇軍』(1963年)というドキュメンタリーがあったなあ。
本でその内容を読んだのだが、映像はまだ見ていない。

幻泉館 リンク用バナー

廃墟の街 CHRONICLES #145

千本浜 2005年5月27日
詩人としてマクリーシュを高く評価していただけあって、ディランは著者近影などの写真をよく覚えていたようです。
ポニーに乗った幼少時代の写真、第一次世界大戦時の砲兵隊での大尉としての写真、エッフェル塔の前で撮った写真、「フォーチュン」誌の編集会議の写真、ピューリッツァー賞受賞時の写真。
いちいち説明しているところがおかしいです。
そういった写真で見知ったような人物が近づいてきて、握手をしようと手を差し出してきます。
既に名を成していたディランですが、詳細に語っているところをみると緊張していたんでしょうね。
英国の将校に望ましい資質として”an officer and gentleman(将校にして紳士)”といった言い方がありますが、ディランはマクリーシュにそんな資質を感じたようです。
マクリーシュはオーラを放っていました。
手紙に書いてあったことを繰り返して言います。
「パウンドとエリオットは眩学的に過ぎたね」
これは、ディランが自分の歌の中にエズラ・パウンドとTSエリオットを象徴的に登場させていたからです。
曲名が書いてありませんが、”Desolation Raw”ですね。
 →bobdylan.com: Desolation Raw
 > Praise be to Nero’s Neptune
 > The Titanic sails at dawn
 > And everybody’s shouting
 > “Which Side Are You On?”
 > And Ezra Pound and T. S. Eliot
 > Fighting in the captain’s tower
 > While calypso singers laugh at them
 > And fishermen hold flowers
 > Between the windows of the sea
 > Where lovely mermaids flow
 > And nobody has to think too much
 > About Desolation Row
         ”Desolation Raw” Bob Dylan
 > 讃えられてあれ ネロのネプチューン
 > タイタニック号は夜明けに船出し
 > みんなさけんでいる
 > 「おまえはどちら側なのか?」
 > エズラ・パウンドとT.S.エリオット
 > が船長の塔で争っていると
 > カリプソ唄いは彼らをわらい
 > 漁師たちが花をささげる
 > 海の窓のあいだ
 > きれいな人魚がながれ
 > だれもおもいわずらったりしない
 > 廃墟の街のことなど
         「廃墟の街」片桐ユズル訳
わけわかりませんなあ。
この歌には、ロミオ、シンデレラ、カインとアベル、ノートルダムのせむし男のような物語の登場人物が数多く歌われているのですが、その中にアインシュタインやエズラ・パウンドが紛れ込んでいます。
おおむねパンタさんの「マーラーズ・パーラー」のようなコラージュとして聴いていました。
好きな曲なんで、一昨年作った「My Best Dylans #1」にもちゃんと入れました。
 →2003年9月9日付日録: My Best Dylans #1
ディランはT.S.エリオットが大好きだったけれど、エズラ・パウンドは読んだことがなかったそうです。
エズラ・パウンドに関してディランが知っていたのは、パウンドが第二次大戦中にナチスの同調者としてイタリアから反米放送を行なっていたことだけでした。
両者を熟知しているから歌っているのかと思ったら、そういうことでもないんですね。
 →荒地/T.S.エリオット
 →エズラ・パウンド (1885-1973)
www.iraqbodycount.org www.iraqbodycount.org
www.iraqbodycount.org

幻泉館 リンク用バナー

ぼくの遺書

夢を見たんだ。
渡さんの骨を見せてもらった。
火葬場で渡さんの友人たちがハンカチに包んで持って帰った骨。
その骨の、さらに小さく分けてもらったかけら。
白いプラスチックみたいになったその骨片を、僕がかじる。
砂糖菓子みたいにぽろぽろと崩れるのかと思ったら、しっかりと硬いんだよ。
臼歯で細かく砕いて、ビールで飲み下す。
僕が死んだ時、こうやってかじって飲み込んでくれる人がいるんだろうか。
五郎さんの歌を聴いたので、こんな夢を見たんだと思う。
 ♪ ぼくが焼かれたら 白い骨を拾い
 ♪ それを小さく砕いて
 ♪ ちょっとだけ食べてみてほしい
             中川五郎「ぼくの遺書」
ぼくが死んでこの世を去る日
中川五郎『ぼくが死んでこの世を去る日』(2004年)
1. ぼくの遺書
2. いつも 戸口までだったね
3. 男の陰に女あり
4. 90センチ
5. 自分の感受性くらい
6. 湖のほとり
7. わかれ
8. 眠られぬ夜
9. ぼくが死んでこの世を去る日
10. ミスター・ボージャングル

幻泉館 リンク用バナー

アコースティック・レボリューション 91

結局今夜は1991年にWOWOWが放映した「アコースティック・レボリューション」。
当時WOWOWには加入していなかったから、だいぶ経ってから無料放送日に録画したのだろう。
憂歌団が夕方、暗くなってから陽水さんたちのステージとなっている。
木村さんはまだビリケンさんになっていません。
もう14年も前のライブだというのが、信じられません。
つい昨日のことみたいなのに。
———————————-
acoustic revolution star stock ’91
1991年8月25日 海の中道海浜公園野外劇場
加奈崎芳太郎
下田逸朗
加川良
たま
外道(泉谷しげる)
憂歌団
井上陽水, 忌野清志郎, 高中正義, 細野晴臣, チト河内UNIT
———————————-

幻泉館 リンク用バナー

火吹竹

どたばた忙しいのですが、夜中にVHS→DVDの作業は少しずつ進めないと。
候補は手許にいくらでもあります。
市販されているものは要らないので、BSで放映したライブなんぞが中心でしょうか。
WOWOWに高田渡さんが引っ張り出された『坂崎幸之助のMUSIC LAND』。
1991年かな。
私がバッチリ写ってしまっている、『上々颱風祭り’93』。
ザ・フォーク・クルセダーズの一夜限りのコンサート『新結成記念 解散音楽會』(2002年11月17日NHKホール)。
どれもDVD出してくれれば買うんだけどなあ。
眠いです。
千本浜 2005年5月21日

幻泉館 リンク用バナー